晴天の霹靂
普段あまり汗をかかない私が、
5月だというのに時々びっしょり汗をかくようになった
ただそれだけのことなのだけど
これが直感というものなのかわからないが
わたしは閉店間際のドラッグストアへ向かった
本当に気まぐれに近いような気軽な気持ちで
今にも泣き出しそうな女の子と、その女の子を励ます女の子
そんな二人組を尻目に検査薬を購入した
自宅へ戻って用をたすついでに
軽い気持ちで検査をした
生理不順の私は検査薬を何度か使ったことがあった
「そんなはずないと思うけど。一応、念のため。」
今回もそんな気持ちで時間が経過するのを待った
二つの小窓に、それぞれ一本ずつ線が浮き出た
おや。
「線が出るのはどっちだったっけ?」
説明書を開く。
線が出るのは、陽性。
陽性は、妊娠しているということのようだった。
おや。
携帯を手に取り、ブラウザを立ち上げる
「妊娠検査薬 陽性 間違い」
ちょっとにわかには信じられなくて
本音を言うと信じたくなくて
もしかしたらこれは現実ではないかもしれないと
また間を開けて再検査すれば、違う結果が出るかもしれないと
その日のわたしはシャワーも浴びずにベッドに潜り込んだのであった