見出し画像

記録#34

また入院した。前回の退院から20日あまりしかたっていなかったのに。
ある朝、なんかこれはまずいと思って、急遽訪問看護師さんを呼んで、いろいろ対応してもらったけど、ホスピスへの入院を打診されていったん入ることにした。ホスピスはべつに終末期じゃなくても、症状が落ち着けば出たり入ったりできるそうなので。

しかし、入院時の検査で腎機能がかなり悪いことがわかり、いつもの大学病院へ問い合わせてくれたら、明日にでも来るようにと回答があったらしく、1日で転院となった。

腎機能の悪化と、いろんなことが重なったせい{転院して即検査や処置)らしいが、この間の2〜3日の記憶がなく、意識障害を起こしていた。
もう世の中はとっくに12月になっているのに、平気で11月29日とか言っていた。しかも、火曜日なのに土曜日と言い、まだ午前10時なのに、夕方16時だと信じていたり。だから、よくお年寄りが質問されている「ここはどこかわかりますか?」というのを、わたしもやられた。
その上、それまでは歩くことくらいはできていたんだけど、まったく歩けなくなってしまった。立ち上がることもできない。
筋力も認知機能も衰えて、まあまあショックだ。
でも、医療スタッフも、これは後々覚えていないだろうなと思って見ていたらしい。
今でも夢と現実がごちゃ混ぜになることがある。一過性のものだと言われているけど、どうなんだろう。

大学病院で1週間治療して、今日またホスピスに戻った。
この1年半何度も入院して、顔見知りになった看護師さんたちとの別れ(たぶんもうここには入らない)は寂しい。介護タクシーで運ばれる道中に見たカフェの白熱球が冬らしいあたたかい雰囲気を醸し出していて、もうこういうところでお茶を飲むこともできないんだなと切なくなった。病気になるまでは、2駅ウォーキングをずっとしていたんだが、介護タクシーがそこを通ったので風景を目に焼き付けておいた。ふざけた名前の高級食パン屋はまだやっていた。

いつになるかわからないけど、遠くないいつかに起こるおしまいに向けて、確実に生きている。

いいなと思ったら応援しよう!