1番の原因は『自己嫌悪』①

20歳の夏。
漫画の専門学校を出て、自分の描いた漫画を初めて出版社に持ち込んだとき、担当さんは辛辣な面持ちだった。

「基本はできてるけどねぇ…ダメだね」

具体的に何がダメなのか聞けば、

「これは売れない漫画。
雑誌に載せるってのは、スーパーの野菜コーナーに最低限売れる野菜を並べるってことなんだよね。

始めたばかりの家庭農園で出来た野菜なんて、スーパーに持ってっも置いちゃもらえないでしょ?」

上手い例えだろう😏と、ドヤ顔されてかなりイラッとしたが、我慢した。

その担当さんは、ある先生を紹介してくれた。

当時、連載8本を抱える、パチスロ漫画界の巨匠だった。

アシスタントとして入り、かなりキツいし辛いしだったが、私の漫画はスーパーで扱ってもらえそうなレベルまで、短期間で跳ね上がった。

実際、先生から「応募した方がいいよ」と言われていたほどだ。


21歳の春。
アシスタントの給与は、漫画に全額投資していたため、私はアルバイトをしていた。

そこで出会った、ある女の子が切っ掛けで、私は鬱病という、最悪の底無し沼に囚われるのであった。

つづく

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