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東京のりもの散歩~いちょうマークの車窓から~16~30

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東京の自治体専門紙、都政新報に掲載されたイラストエッセイを再録しております。
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#東京都交通局

唯一無二のエメラルド【東京のりもの散歩~いちょうマークの車窓から27】

 日暮里・舎人ライナーは交通局が運行する新交通システム(動輪にゴムタイヤを使用し、コンピューター制御で無人運転を行う略称AGTと呼ばれる交通システム)で、日暮里から埼玉県境に近い見沼代親水公園までの約9.7キロを結んでいる。開業当初はクロスシート(進行方向に対して直角に設置された座席)が主体の300形車両12編成で運用が始まり、乗車人員の増加とともに300形は現在16編成まで増えている。2015年度には車体を軽量化して全席ロングシート(進行方向に対して平行に設置された座席

橘家圓太郎と円太郎バス【東京のりもの散歩~いちょうマークの車窓から26】

 1923(大正12)年9月1日、南関東を震源とするマグニチュード7.9(諸説あり)、震度6の揺れが東京および関東近県を襲った。その被害は家屋の全壊10万9千戸、死者・行方不明者は10万5千人に及んだ。言わずと知れた関東大震災である。交通局の前身である東京市電気局は市電(路面電車)の車輛を800両弱焼失し、軌道や営業所の被害も甚大だった。  市電が復旧するまでの代替手段として局は乗合自動車の事業免許を取得。アメリカのフォード社から貨物トラックフォードTT型800台を緊急輸

吊り橋を渡って交通局へ【東京のりもの散歩~いちょうマークの車窓から25】

 新緑の土曜日。新宿からJR中央線と青梅線に2時間近く揺られ、無人駅である鳩ノ巣に到着。トレッキングウェアに身を包んだ人々を見送ると、ホームには静寂が訪れた。「ここも新宿と同じ東京なのだ」と不思議な感覚を覚えつつ駅からの坂道を下り、車の往来に注意して青梅街道を渡る。「はとのす荘」の脇を通って多摩川の方へと向かうと、「いちどに5名以上で乗らないでください」と書かれた吊り橋、鳩ノ巣小橋が見えてくる。  吊り橋の先、鳩ノ巣渓谷遊歩道は大多摩ウォーキングトレイルの一部として整備さ