【東大生進学選択体験記⑦ 自分の「やりたいこと」と向き合う】
こんにちは、東京大学ピアサポートルームのキャリアチームです。
キャリアチームでは東大生が自分のキャリアについて考える際の参考にしていただくため、東大生の就活や進学選択に関する体験談を投稿しています。
今回は東大生進学選択体験記シリーズ第7弾です!
2019年度進学、理科2類→工学部物理工学科(第1段階により)
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【東大生進学選択体験記⑦ 自分の「やりたいこと」と向き合う】
〇進学選択の時、実際の進学先と悩んだ進学先はありましたか?
大学入学当初は薬学部を希望していました。しかし薬学部の先輩から「有機合成系は実験に拘束される時間が長く、大変である」と聞いたことをきっかけに「私にはそこまでの熱意はないな」と思い始め、薬学部進学を諦めました。
進学選択直前まで悩んだのが「工学部物理工学科、工学部応用化学科、農学部応用生命化学専攻」の三学科です。最終的には物理工学科に進学したのですが、化学系への希望を捨てきれず、研究内容的にモチベーションが保てそう&説明会の雰囲気が良さそうな学科を候補に入れていました。
〇最終的に進学先の学部学科に決めた理由はなんですか?
1年生の時に必修教科として電磁気を履修したのですが、数式のみから現象を導き出す手法に感動して「物理・数学を極めたい!」と熱意を募らせました。また私が2年生の時、新型コロナウイルスの蔓延により、授業のオンライン化、リモートワークが盛んになりました。コロナという災害の中でも人々の営みを続けることを可能にしたIT技術、特にプログラミングに興味が湧き、将来はIT関連企業への就職も視野に入れるようになりました。「プログラミング」「物理・数学」「技術への応用」をキーワードに総合的に考えて、自分のやりたいことが叶えられそうな物理工学科へ進学したのでした。
〇進学選択を意識して、1.2年生の時にどのような過ごし方をしていましたか?
理科二類の場合、物理工学科へは全科類枠で進学することになるのですが、枠が狭いため底点が年によって大きく変わっていると知りました。物理工学科に進むかは決心できていませんでしたが、自分の点数が低いことで選択肢が狭まることがないよう、第二外国語や総合科目など得意教科で点数を稼ぐ様に努力しました。
工学部に進学した私ですが、実は1年生の時「情報50可、線形代数50可」というとんでもなく悪い成績を叩き出してしまいました。プログラミングに関しては後述のように学科の人に教えてもらい、数学に関しては物理工学科に進学することを見越して、2年生の夏休みに1年生の数学の範囲を復習し、苦手を克服しました。
2年生前期〜進学選択直前は上クラ(同じ語学を選択したクラス)やサークルの先輩を通して、大学院進学の方法など各学科についての情報を得ていました。ガイダンスで説明される内容はあくまで「理想」であって、所謂ネガキャンと思しき内容は隠されがちです。直接お話を伺うことで、いい面/悪い面含めて学科に対する正直な意見を聞くことができて、とても参考になりました。
〇実際に進学してみて、進学前のイメージと違う点はありましたか?
イメージと違った点は主に2点あります。
1点目は他の工学系学科と比べて実験の授業が少なく、演習・座学などで理論への理解を深める授業が多かったことです。研究室配属は4年生前期と他の学科と比べても比較的遅く、それまでは実験は平均週1回のみです。逆に物理工学演習・数学演習といった、ひたすら計算問題を解く=>授業で発表するという授業が2年後期〜3年後期にかけて必修となります。毎週のようにレポートが課せられ正直とても辛かったのですが、「演習で学んだ数式・理論・計算力が、研究の背景の理解に不可欠なんだな」と研究室に配属された今、ようやく気付かされました。工学部ながら理論の理解に重きを置いた、つまり理学部チックな毛色があるのが物理工学科の特徴だと思います。
2点目は「応物系」として括られる計数工学科の授業を受ける機会が多いことです。計数工学科はプログラミングを通して計算機の性能を向上させる、といった内容の授業が多い様に感じました。私は進学当初はプログラミング初心者だったのですが、計数工学科の同期に教えてもらいながら、なんとか単位をゲット・プログラミングを習得することができました。プログラミングは吐かれるエラーがわかりにくいため、「文法のミスに気づく/もっと良いコードを思いつく」といったことが独学では難しいです。そのためプログラミングに慣れている人に教えてもらう機会が多かったのは、嬉しい誤算でした。
授業を通してプログラミングに触れられたことで、プログラミングの大変さとともにコードが思い通りに動く楽しさを知ることができました。物理工学科で過ごした2年間で「IT企業へ就職したい」という思いがさらに深まりました。
〇最後に後輩へのメッセージをお願いします。
「情報50可、線形代数50可」でも工学部でうまくやっていけた私の経験を見てもらうとわかるように、努力と熱意で苦手は十分カバーできると思います!自分の点数、学科の底点に囚われすぎず、自分のやりたいこと・好きなことに向き合い学科を決めていってください。また自分で思い詰めすぎずに時には周りの人や友達、特に志望している学科の先輩に話を聞いてもらうと、新たな視点が開けるかもしれません。この記事を読まれた皆さんが、自分の納得のいく進学選択ができることを祈っています。
〇執筆日
2022年10月20日
東京大学ピアサポートルーム
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