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「財務諸表が読める」とはどういうことか

私たちは

「自身が本気で経営に取り組んでいなければ、クライアントである経営者の気持ちは分からない、そんな状態で他社の経営に口を出すことはできない」

という信念の下、自らも事業会社を経営しています。

というわけで、私は小さなメーカー(なのか流通業なのか最近よく分からなくなってきてますが)の役員をやらせていただいているのですが、3年ほど前のことだったでしょうか。今の会社に入って間もない頃、先輩経営者にこんなことを聞かれたのです。

「君は財務諸表、読めるの?」

財務諸表が読めるとは何か

実は私、大学では(思い出すのも恥ずかしいレベルの劣等生だったとはいえ)経営学を専攻しており、簿記の資格も持っていました。

なので、財務諸表に現れる単語は一通り理解できていますし、安全性や収益性などを表す各種指標の意味も計算式も覚えていました。

が、その問いかけに対して、私は

「えっと……分かりません」

としか答えられませんでした。
財務諸表が読めるという状態が、何を意味するのかよく分からなかったからです。

いま、同じことを聞かれたら迷いなくYesと答えられます。
答えられるんですが、この違いはいったい何に由来するものなのか。
財務諸表が「読める」とは、どういう状態なのでしょうか。

財務諸表が「読める」とは?

日本語の文字を知っていて、単語を知っていても、文章に書かれている内容を理解できないと「読める」とは言いません。

同様に、財務諸表もそこに書かれている「内容」を理解できないと意味がありません。

では財務諸表の「内容」とは何か?

それは財務諸表が何かを考えれば分かります。
貸借対照表は、ある瞬間の企業の「もちもの」すべてを記載したもの。
損益計算書は、ある期間の企業の営業活動すべてを記載したもの。
この二つに、企業の経営活動すべてが記載されているのです。

財務諸表を見て、その会社がどんな状態にあり、これまで経営をしてきたのか。具体的にはその会社が

・どんなビジネスを展開しているか
・儲かっている/儲かっていない原因はどこにあるのか
・どこを改善すれば業績改善に繋がりやすいか
・つぶれやすいか/つぶれにくいか

を読み取れる。
そうなって初めて財務諸表を「読める」と言えるのではないか。

これが私の結論です。

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