電話のない世界で電話という「魔法」を見つけるたった一つの冴えたやり方
「家から学校まで、地下鉄でつながってたらいいのに」
冬の寒い朝、小学生がこんなことを言ったんだそうです。
ほとんどの方は、これが実現不可能であることは瞬時に理解できると思います。しかし、不可能だと切って捨ててしまうのは惜しい。
子供の教育という観点だけでなく、ビジネスパーソンとして惜しい。
なぜなら、イノベーションの芽を摘み取ってしまっている可能性があるからです。
なぜ家から学校まで地下鉄で通学したいのか
ここで考えるべきは、上記の問いです。
いろいろ仮説が考えられますが、ざっと思いつく限りでは
寒いから?
歩きたくないから?
荷物が重いから?
時間がかかるから?
(ていうか、なんでタクシーでも専用バスでもなく地下鉄って言いだしたんだろう?)
こんなところでしょうか。
(他に何かあれば、ぜひ教えてください)
なぜこんな問いかけが重要かというと、それこそがイノベーションを生み出すきっかけになる可能性を秘めているからです。
電話誕生前の世界では、電話は「魔法」と同義だった
試みに、電話がなかった時代を想像してみてください。
遠隔地にいる人と連絡を取るためには、自ら赴くか、誰かに伝言を頼むか、手紙を書くくらいしか手段が存在しませんでした。もしこの時代に
「遠くにいる人とリアルタイムで会話できたらいいのに」
などと言ったら、冒頭で紹介した小学生の発言のごとく、夢物語と言われるだけでしょう。
遠くの人とリアルタイムで会話したいという課題は確かに存在した。
しかし、それを実現する手段は「魔法」以外にあり得ませんでした。ベルさん(あるいはメウッチさん)が、電話を生み出すまでは。
電話に限らず、現在私たちが当たり前のように使っている様々なモノやサービスも、誰かが生み出すまではかつて「魔法」と同義だったのです。
魔法を探し、魔法を現実にする
先ほどの直通地下鉄通勤の話に戻りますと、少なくとも2019年時点ではそれを実現する手段は魔法しかありません。
しかし地下鉄そのものではなく、その発想を生むに至った
寒い中で通学したくない
歩きたくない
重い荷物を持ちたくない
通学に時間をかけたくない
といった課題にフォーカスすれば、魔法以外でも実現する手段が考えられるのではないでしょうか。
人が夢みたいなことを言う背景には、誰もが「それはそういうものだから」と諦めて、課題であることにすら気付いていない課題が存在します。
だからぜひ、もっと夢を語るべきなのです。もっと妄想すべきなのです。
そして誰もが見落としていた課題を発見し、解決する手段を生み出す。
そうやって「魔法」を魔法の地位から引きずり下ろすことこそが、イノベーションと呼ばれるものなのです。
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