『あの娘にキスと白百合を』聖地巡礼記録
文:ノーラ
みなさんは『あの娘にキスと白百合を』、通称『あのキス』をご存知でしょうか。百合漫画がお好きな方には言わずと知れた缶乃先生の漫画作品(全10巻)です。KADOKAWAの『月刊コミックアライブ』において2013年から2019年まで連載されていました。基本無気力な天才、黒沢ゆりねと負けず嫌いの努力家、白峰あやかの凸凹コンビを始めとして、とある女子校に通う様々な生徒をめぐる関係性がオムニバス形式で描かれています。幼なじみ、上下関係、三角関係…あなたの好きな「関係性」がきっと見つかるはずです。
さて、そんな『あのキス』の舞台は仙台と言われています。例えば、こちらのシーンをご覧ください。
このシーンの背景は仙台駅西口と見て間違い無いでしょう。このように、特に1巻第5話には仙台駅周辺の様子が背景に描かれたシーンが数多く存在します。また、5巻第23話では同じ宮城県の高城町駅が描かれています。今回はこの2話に着目して、コマの中で出てきた風景を現地に赴いて探して写真に収める様子を記事にまとめました。
ということで、まずは1巻第5話『さらばストロベリー・エイジ』のシーンから見てみましょう。この回では休日に黒沢さんが友人の上原さんたちとばったり出会って共に買い物に出かける様子が描かれています。まずは黒沢さんと上原さんたちが出会う冒頭のシーン。
仙台駅西口のロータリー上部ですね。向こう側にはLoftの建物が見えます。窓の位置まで正確に描写されているのがわかります。その後黒沢さんは上原さんと二人ショッピングモールへと買い物に赴くのですが、その途中の仙台の街並みもしっかりと描写されています。
その街並みに沿って歩みを進めていくと見えてきました。二人の目的地、FORUSです。
ここまでの二人の移動経路と写真をまとめると下のようになります。
駅近くから伸びる商店街を通り抜けてしばらく進んだところにあるのですが、実際に歩くとかなりの移動距離です。女子高生の皆さん元気ですね…。こうして上原さんとの買い物を終えた黒沢さんは一人で仙台駅へと戻り、白峰さんと再会して第5話は終了となります。
ここは記事冒頭でも取り上げたシーンですが、改めて見ても『STATION』のNの文字など細かく描写されていると感じますね。黒沢さんの歩きまくりな一日でした。(なお午前中は陸上部に混じって走っていた模様)
さて、続いては5巻第23話『One Night Journey』のシーンです。この回では白峰さんが学校を休んで現実逃避のために電車で海へと赴き、黒沢さんがそれを追う様子が描かれています。2人の仲が大きく深まる特に印象的な回ですね。冒頭でも触れましたが、この回では白峰さんらが降りた駅が宮城県内の高城町駅(隣の駅にはあの松島があります)として描かれています。駅舎の細かい部分まできっちり描写されていますね。
以上が今回の聖地巡礼記録になります。冒頭で示した仙台駅と高城町駅の特定以外は全て自分たちで探して撮影しました。特にFORUSの特定は大変でしたね。周辺のショッピングモールを手当たり次第に当たっては違うを繰り返し…、その後道中の描写を特定できたことで大まかな方向は特定できつつあったのですが、最後は諦めて帰る途中の偶然の発見でした。一気にこれまでの努力が報われた気がして感無量でしたね…。
ただし、まだ特定に至らず諦めざるを得なかったシーンもあります。例えば第5話終盤の仙台駅のシーン、このコマに描かれている背景は周辺を探しても全く見つからなかったんですよね。
仙台駅を描写した最初のコマから2人の立ち位置はほぼ変わっていないはずなので、最終的には元々存在しないor建て替えなどで景観が変わったのであろうという結論に落ち着きました。また、第23話でも高城町駅を出た後このシーンではガードレール越しに海を臨みながら歩いているのですが、駅付近にそのような道はありませんでした。それどころか近くの海岸はほとんど船着場のようになっており、二人がたどり着いていた砂浜のような場所はありませんでした。このシーンはおそらく他の場所から引っ張ってきているのでしょう。
このようになんとか見つけたシーン、見つけることのできなかったシーンなど色々ありましたが、総じてとても楽しく聖地巡礼ができたと思います。この記事を読んでくださった方も、時間に余裕のある時にマナーを守って大好きな作品の聖地巡礼をしてみてはいかがでしょうか。それでは!
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