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独学かつ副業でモノづくりを実現させた素人デザイナーのお話 #8

前回は、メーカーとの図面のやり取りについて説明しました。今回は製品の試作についてお話しします。


「#8 “CGよりかっこいい”が理想」

メーカーとやり取りして作成された図面のもと、試作が開始されました。試作ではCNC加工で製造されました。これは、金型を作るのではなく、金属の塊から部品を削り出す加工法です。
その時はコロナの影響もあり、通常よりも時間がかかり、約3.5ヵ月くらいかかってしまいました。

最初の試作品

初めて自分のイメージしたものが手元に実物としてやってくると、やっぱり感動するものです。
これまではCGでしか見たことが無かったので、人生初の実現化の瞬間でした、、。

ただ、ここで浸っている場合ではありません。
細かな修正指示を出していきます。

修正指示書の作成

こういった内容で気になることを10カ所くらい指摘していきました。
その内容を踏まえて、2回目の試作を開始してもらいます。
しかし、2回目の試作がやってくるのもまた3カ月先という、、。
とにかく時間がかかるので、その間にできることは無いか確認し、ベルトの色や留め具、パッケージや説明書など先にできることからやっていきました。

レザーベルトの色選定

CGイメージを提出していたので、メーカーがそれに合ったものを選定してくれていましたが、再度選びたいと伝えると画像のような色サンプル帳を貸してくれました。数百種類ものレザーが載っており、楽しく選びました。

2回目の試作品

走行しているうちにあっという間に3カ月が過ぎ、2回目の試作品がやってきました。指摘した箇所のほとんどが修正されており、イメージに近い物が仕上がってきました。

細かな箇所をチェック

ほぼ問題ないレベルまで来ましたが、ステンレスのブラックが白っぽかったり、ベゼルの回転の手触りが悪いなど細かな箇所を再度調整指示していきました。

本体の試作は時間がかかるので、その間に留め具の試作や針の長さ、色味やレザーベルトなど、各パーツを細かくすり合わせを行いました。
そしていよいよ、完成試作品として製品撮影用のサンプルを製造してもらいます。

これが特に時間がかかりました。
これまではCNC加工で行っていたので金型を作るところから始まり、さらに4か月くらいかかったように思います。
私が初心者ということもあり時間がかかってしまったと思いますが、試作を開始してから10カ月かかりました。
今後経験を積んでいくことで的確かつ現実的な修正指示が出せるようになっていけば、もっと短くなっていくと思います。

そうして、ついに完成品ができました。

完成試作品

これで修正がすべてクリアできたことが確認できました。
こうしてみると、CGよりもかっこいいと素直に思い、本物の力強さというものを感じました。
ただCGイメージを実現化するのではなく、物理的制約や技術を踏まえながら細かなディテールをひとつずつ手を入れていくこの過程こそ、モノづくりの醍醐味なのかなと感じました。

こうして正式に量産発注へ移行しました。
量産もまた4カ月ほどかかるということで、ここからはリリースに向けてHP作成やパッケージデザインの詰め、製品撮影などを進めていきます。


今回の話はここまでです。
次回は初めての製品撮影からHP製作についてお話していきます。

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