独学かつ副業でモノづくりを実現させた素人デザイナーのお話 #11(終)
前回はHP制作についてお話ししました。
今回でいよいよ10watchの制作話は最終話になります。
「#11 遂に発売へ。配送まで想いを込めて」
ここまでで、製品の開発から量産、撮影からHPの開設が完了し、いよいよ発売まで漕ぎつけました。
とはいえ、販路先すら持っていない私たちが選んだのがクラウドファンディング(以下CF)を活用したネット販売でした。
【クラウドファンディングを活用して発売へ】
CFは支援金を集めるプラットフォームと思われがちですが、簡単に言うと予約販売型ネットショッピングです。
storesやbaseといったネットショップ開設も可能ですが、無名の私たちを露出させるためには人気のあるプラットフォームを活用することが近道でしたので、日本最大手のMakuakeにてリリースすることにしました。
↓CF作成の詳細はこちらの記事
製品の特長からアイデアの起源、10watchという名前の由来まで、流れよく読みやすい構成で作成しました。
発売開始にあわせて、活動を応援してくれている家族や友人に報告も兼ねて声をかけましたが、多くの方が発売と同時に注文してくださり、一瞬で目標金額を突破することができました。
それからさらに注文が伸び続け、最終的には170万円近い注文を頂き、想像をはるかに上回る結果となりました。
【梱包して配送へ】
CFでの購入者は84人にものぼりました。これからそれぞれにお届けしなくてはなりません。配送に関しては以下2つの選択肢になりました。
・発送代行サービス
・自分で行う
発送代行サービスは、在庫管理から配送、梱包資材の指示など細かなカスタマイズも可能で、一番楽で確実なので魅力的でした。
しかし、毎月かかる手数料や固定費などを細かく計算すると、駆け出しのブランドには厳しいということが分かり、頑張って自分たちで行いました。
自分で行う場合、押えないといけないポイントは以下でした。
・拠点の営業所が近くにあること
・受付窓口が夜まで空いていること
・割引が豊富であること
一番大切なのは営業所までの距離です。車があれば気にしなくて済みますが、無い私たちは台車を押して運べる距離であることが重要でした。
また、副業で行っているため基本的に夜の作業になるので、夜8時くらいまで受け付けてもらえることが必要でした。
これらを踏まえてヤマト運輸に決定しました。
各社様々な割引サービスがありますが、ヤマト運輸の割引が豊富なのも決め手でした。
実際に84人分の梱包となると、想像よりも時間と労力がかかりました。
プチプチのくるみ方は?納品書はどう入れる?
実際に自分たちで行うとわからないことばかりだと思い知らされました。
段ボールの数も尋常じゃなく、何往復もしながら営業所に持ち込みました。営業所の方たちも総出でご対応いただき、ご迷惑をおかけしたと思います。
そんな大変な作業でしたが、緩衝材にちょっとした仕掛けや思いを込めた表現を取り入れることも心掛けました。
こういったこまかなサプライズを演出することができるのは、発送代行には出来ないことだと思いますので、結果自分たちで頑張って良かったと思います。
こうして、無事に84名にお届けすることができたのでした。
【おわりに】
ここまで、10watchの制作話を読んでくださりありがとうございました。
最初はアイデアを作るところから始まった活動が、こうして製品化から販売まで辿り着くことができ、非常に得るものが多く有意義な時間でした。
プロダクトデザイン未経験者が自分の力で製品化することは大変ですし、お金も時間もかかります。それでも「こんなの作りたい!」という子供のような素直な気持ちで、ただひたすら取り組み続ける。そんな熱い想いを持ち、行動し続けることが最も大切なことだと思います。
作りたいものがあるけど未経験で製品化できないと思っている方へ、これまでの記事が同じ境遇の方々の道しるべになれば幸いです。
この10watchで得た経験を活かして、今後どんどん新しいものをリリースしていきますので、「確かそんな人いたな」と思い出したら、ちょっと覗いていただけると嬉しいです。
U+O 魚森
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