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独学かつ副業でモノづくりを実現させた素人デザイナーのお話 #7

前回は、協力先の選定についてお話しました。今回は製品の仕様決定から費用感についてお話しします。


「#7 製作図面の読み解きと試作」

それでは、実際に選定したメーカーとのやり取りが始まります。
まずはプレゼンボードと、ある程度寸法を入れた簡単なイメージ図を提出しました。

提出したイメージ図

これをもとに、まずは実現可能な機構で調整してもらいました。

1回目の製作図面

事前にアイデアを形にしてCGイメージや簡単な図面を素人ながら用意していたため、完成像を最初の時点で共有できていたこともあり、提出してから2週間ほどである程度進みました。

さらに感心したのが、その製作図面の寸法でCGイメージを提示してくれたので、ベルトや留め具、裏蓋の形状など私が曖昧にしていた箇所までつかむことができました。

メーカーから頂いたCGイメージ

ここで私がこだわったこととして、最初に作成したCGイメージにどこまで近づけるかということでした。製作図自体見るのは初めてでしたが、よく見ているとイメージしているディテールと異なる点が多々あることに気が付きます。

・回転ベゼルのサイズ
・点の大きさ
・ベルトのカタチ
・針の大きさ

などなど。
これらについてパワポ上で上から書き込む形で赤入れして修正を繰り返していきました。

修正依頼の書き込み

時計についての知識が全然ないため、時計ショップなどに見に行き、参考にしたい時計の色味や質感をメモして指示しました。

画像でどういった塗装やメッキがされているのか判断できるものであればよいのですが、どうしてもわからないものについては実物判断したいとのことでしたので、ヤフオクで中古を安く購入してメーカー送り、参考にしてもらいました。

こういった細かい寸法のやり取りで、できるところは修正し、構造的にできない箇所はぎりぎりまで理想の寸法に近づけてもらい図面を仕上げていきました。

最終段階の図面

知識が何もないところからでしたので、やり取りを始めてから2ヵ月かかりました。この段階である程度仕様が決まり始めていたので、ここで見積を出してもらいました。

今回、個人ということで最小ロットは300台。
これは、メーカー選定時に各社とも大体同じ数量でした。
しかしロット数を上げていくと1個当たりの単価は大幅に下がっていくことも分かったので、経済ロットを考慮して数量を決めました。
結果的には1台当たり6~7,000円(製造費や金型費込)で約600台発注することにしましたので、費用は3,500,000円程になりました。

結構な額でしたが、オリジナル時計製作の相場が3,000,000円程という話をネットで調べて分かっていたので、概ね予想通りでした。
就職してからほぼ買い物をしていなかったことも助けになり、支払いは問題ありませんでした。

提示された見積内容を確認して正式に契約とし、前金として30%支払うことで、ここからは実際に試作品の製造へ移行していきます。


今回の話はここまでです。
次回は試作品について細かくお話していきます。

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