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翼は折れていなかった

昨日、DFM VALORANT部門の新ロスターが発表された。そのニュースを聞いて初めに思ったのは「ああ、まだ彼らの翼は折れていなかった」、その一言だった。

少し昔話をしよう。

2022年、夏の暑さがまだ拭えない秋。Crazy Raccoon VALORANT部門はリーグから落選した。

それ即ち、CRとして2022 s2ロスターのまま世界で戦える可能性が2023年は潰えたということ。そしてこのことが最終的なひと押しとなってrionさんはストリーマー部門に戻ることを決めた。この時点で残されたnethさん、Meiyさん、popogachiさん、Astellさんは正直リーグ入りを認められたZETAかDFMにトライアウトを受けて加入し、リーグへと挑戦するものと思っていた。何故かというと2023年にたとえ国内1位になり、アセンションリーグで頂点に立ってもリーグ入りできるのはたったの2年間。国内から世界を目指すのはあまりに厳しく辛い道のりだからだ。

しかし、彼らはCRに残って戦うことを決めた。国内リーグから世界への、酷く険しく困難な道を選んだ。その時決めた覚悟の重さがいかほどだったのか、私にははかり知ることはできない。けれども、選手生命をかけた一大決心ということは痛いほど分かった。

この決断を、CRファンである私はまず喜んだ。またCRとして戦うnethさん、Meiyさん、popogachiさん、Astellさんの姿を追いかけ応援することができるのだと。しかしその一方でnethさんの発した言葉が忘れられなかった。「俺がFA出して30チームの中に入って世界大会出ても自分の力で行けた気がしないし今のところ考えてないな」。

この言葉を聞いたとき、ふと思った。私は彼らをCRというチームに縛り付けていないか、と。もちろん私一人の言葉や行動が彼らの行動に影響を及ぼすなんてことは思っちゃいない。けれども、ファンの来年もこのメンバーでCRで戦ってほしいという想い、「CRの○○」であってほしいという願い。それらが何かしらの影響を与えてはいなかっただろうかと。本当はもっともっと高く世界へと飛んでいけるはずの彼らの大きな翼に少しでも傷をつけてはいないかと。そのことがずっと酷く怖かった。

だから、nethさん、Meiyさん、popogachiさんがDFMへと移籍し、世界で戦うことを決めたと知ったとき、初めに覚えたのは安堵だった。彼らの翼は折れてなんかいない、ずっとずっと高く飛ぶために戦い、準備をしていただけなのだと。

2022年から追い始めたCR VALORANT部門。リーダーとして年長者としてそしてベテラン選手としてチームを引っ張り導いていくことに悩み戸惑いながらも真剣に向き合ってきたnethさんの姿、サポートから「CRのデュエリスト」という重い重い看板を背負うことになりその在り方に苦悩しつつも今では日本随一の強さを誇るようになったMeiyさんの姿、2022 LCQの悔しさを糧にして七転八起とんでもない成長を遂げたpopogachiさんの姿、全部全部見守り応援してきた。

私が応援していたのはCR VALORANT部門だったから、DFMとして戦うことについては寂しさもあるし、悲しい気持ちもないとは言えない。けれども、世界へと羽ばたいていくことを決めた三人の決意と覚悟に、私は全力で彼らを応援したいと思った。

ずっと、ずうっとCRWIN。DFMWIN。


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ばすとっく
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