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会社で服装について注意された

今日も歯ブラシに歯磨き粉をつけて、歯磨き開始まで2時間かかってしまった。

俺は昔、小・中・高と男達からいじめを受けていた。

そして、学校を卒業し会社に就職してからも、年下の男達からちゃん付けで呼ばれ続け、男のリーダーの班長に対するパワハラを見続けた。

家庭ではというと、夕食時、祖父と母が毎日大声で喧嘩しているのを
目と耳と心で聞き、無心で一切喋る事なく食事をしていた。

それから、統合失調症になり、通っていたデイケアのスタッフのリーダーの男からも言葉の暴力というパワハラを受け続けた。

結果、俺は男性が苦手になった。
普通に声を掛けられただけでもビクついて、萎縮してしまう。
顔は無表情になり、良く母に叱られた。

そんな俺は、再就職し冷蔵庫内でピッキングの仕事をしている。

冷蔵庫内の気温は春夏秋冬10度以下。

正直寒い。

そんな俺が、今日仕事に着て行ったコートについて、
正社員の男性から注意を受けた。

「流石にそのコートで仕事をするのはやめてくれ。」

その言葉が作業中の俺の心に大きくのしかかった。

日曜日から着ていたそのモッズコートは、今日まで何も言われなかった。

「今になって何故言われたのだろう。」

「他にもコートを着て作業をしている人がいるのに、
何故俺だけ言われるのだろう。」

もう、頭の中は大混乱だった。

仕方なく、コートをロッカーに仕舞い作業を続けたが、もう遅かった。

症状は直ぐに現れた。

作業をしていると何だか気持ち悪くなって来たのだ。
そして、一時的ではあるが過呼吸になった。

治ったので、取り敢えず作業を終わらせようと
作業をひと段落させ次の作業に移った。

だが、頭は真っ白で何をすればいいか分からなかった。
作業中のお姉様に何をすれば良いか尋ねた。

そして、無事今日の仕事は早く終わり、お姉様方と雑談。

この前の受診で主治医にパワハラの事を伝えたら、
「あなたは妄想癖があります。」
と言われた事を愚痴った。

家に帰り、食事を済ませ、歯磨きをしようと思い、
洗面台に行き歯ブラシに歯磨き粉を付けた。

しかし、口が開かない。
気持ちが落ちるといつもこうなる。
そして、涙が流れた。

鏡を見ると、目も虚ろで、顔はまるで屍のようだ。

ふと「今、何時だろう?」と時計を見ると

あれから2時間経過していた。

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