【横浜市民必見】横浜市長候補の気候変動対策まとめ
8月22日投開票の横浜市長選。
候補者が8人、さらに保守分裂という波乱の展開になっています。
IRやコロナ対応が主要な争点になっていますが、各候補がどんな気候変動対策を取るのか、温室効果ガスをどのように削減しようとしているのか、激甚化する気象災害にどう対処しようとしているかも、実は市民生活にとって重要です。
そこで、このnoteでは、各候補は気候変動対策に関して何を主張しているのかをまとめてみようと思います。
具体的には各候補のHPにアクセスして、気候変動に関わる公約を抜粋していきます(後で問い合わせた内容を追加するかもしれません)。
横浜市民の方は、次期横浜市長候補が気候変動対策に関してどんなことを言っているのかをぜひチェックしてみてください。投票するつもりの候補や、投票を検討している候補だけでもいいので!
以下、届け出順で各候補の政策を抜粋します。
太田正孝(おおたまさたか)75[元]市議 無新
<HPより引用>
・防災減災対策強化
具体策は明記されていませんでした。
田中康夫(たなかやすお)65作家 無新
<HPより引用>
上瀬谷跡地にレスキュー拠点
東京ドーム51個分の在日米軍上瀬谷通信施設跡地。「医療・保健」「消防・救急」統合型レスキュー拠点を建設。
気候変動対策とは言いにくいですが、気象災害の被害低減には資するので一応書きました。
(8月13日追記:中学校給食に地元食材を使う、空き家を緑地・地域菜園化するなどの政策も一応気候変動に関係した公約かもしれません)
小此木八郎(おこのぎはちろう)56[元]国家公安委長 無新
<HPより引用1>
横浜防災総点検。真に災害に強い都市へ
災害はいつでも・どこでも・誰にでも起こります。2つの内閣で防災担当大臣を務めた経験を活かし、横浜の防災を総点検します。老朽化した道路や橋、氾濫の恐れがある河川や港、がけ崩れの恐れがある急傾斜など、強靱化が必要なインフラの整備や改修を早急に進め、避難所の運営など大臣時代に進めた女性視点を大切にした防災対策の推進や、高齢者など移動が困難な方々の避難支援の強化など、真に災害に強い都市、防災最先端都市を目指します。
<HP より引用2>
横浜から温暖化を止める。世界最先端の脱炭素都市の実現へ
電気自動車や水素自動車が当たり前のように横浜の街を走る光景————。防災担当大臣経験者として、今、本気で気候変動対策をしなければ、どんな風水害対策も無力になる危機感を誰より持っています。それには日本一の大都市・横浜で脱炭素社会の実現が不可欠です。カーボンニュートラルポートやブルーカーボンをはじめ、策定する横浜版成長戦略とも絡め、脱炭素イノベーションを強力に推進し、本気で脱炭素都市・横浜の実現を目指します。
防災と温室効果ガス削減の両方を公約に入れている数少ない候補です(自分個人としては全員に明記してほしいのですが…)。
坪倉良和(つぼくらよしかず)70水産会社社長 無新
<HPより引用>
地域防災のYokoyamaモデルを ~医療、福祉、防災政策の見直し~
(中略)
・国とともに国土強靭化対策を進める。
・災害に備えて「地域防災」の仕組みつくりする。
・旧上瀬谷通信施設の跡地を防災拠点と「100年の森」にする。
防災に関して触れていました。
福田峰之(ふくだみねゆき)57[元]副内閣相 無新
<HPより引用>
再生可能エネルギー拠点 横浜
これが未来の横浜だ!
上瀬谷米軍跡地につくられた再エネ水素製造拠点。横浜で製造された水素によって燃料電池自動車(FCV)が、水素発電によって電気自動車(EV)が走っています。家庭や工場の蓄電や給電は、FCVやEVが担い、災害時も安心です。横浜の空はいつでも青く、花粉症に悩まされる人も減ってきています。
RE100を宣言した企業が集まり、ESG投資によって、企業価値も上がっています。市民の給与も高くなり、市税も豊かになり、環境や福祉、教育にも多くの予算をかけれるようになったのです。
どこにも無い地に足の着いた「環境未来都市」の姿を世界に見せることが出来ています。
再生可能エネルギー推進を掲げています。防災への言及はあまりありませんが、市民からの政策提言をLINEで受け付けるなどのことをしている人なので、何らかの提言すれば取り入れるかもしれません。
山中竹春(やまなかたけはる)48[元]市立大教授 無新[立]
<HPより引用1>
重点施策として推進します!
(中略)
・地震・風水害等の災害対策強化
・脱ガソリン車の加速化支援
待機児童の解消などの8つの重点政策のうち、2つが気候変動関連でした。
<HPより引用2>
SDGsを重視した経済・産業の振興を!
日本最大の都市、横浜として、地球環境を守り、持続可能な市政運営を行うのは当然の責務と考えています。再生可能エネルギーの普及促進など、温室効果ガス削減の取組を推進していくとともに、SDGsの達成に貢献する企業を誘致・育成し、公民連携で持続可能な横浜市を築いていきます。
①再生可能エネルギー、脱ガソリン車の加速化支援、蓄電池の普及、スマートメーター(電子式電力計)の普及促進に伴うエネルギーマネジメントの実現
③SDGsの達成に貢献するベンチャー企業の誘致・起業育成
⑥脱炭素社会にむけて温室効果ガス削減の取り組みを加速
⑦サーキュラー・エコノミー施策を推進
⑩持続可能で健全な社会の実現に向け、経済・産業政策と雇用政策の一体的推進と、環境保全・循環型社会の構築に向けた諸施策を充実
強調部分は原文に合わせています。飛ばした番号の項目はSDGsには関係があっても気候変動には直接的な関係がない部分です(デジタルマーケティングを活用した、観光・経済の振興など)。
<HPより引用3>
防災・減災、安心して暮らせる街づくりを!
市民の安心・安全を確保する。震災、風水害など、いつ起きてもおかしくない災害、都市型災害に対して、想定外はあってはなりません。十分な備えを行っていくことは行政の不可欠な役割です。
①豪雨災害の激甚化等、風水害対策の充実のため、盛土の調査点検や崖地対策の速やかな実施。
②地域事情(津波、木密、河川浸水想定、崖地等)に合わせた災害対策の強化。
③震災、風水害の発生に備え、公助の強化はもとより、自助共助の取組支援を強化。
④震災、風水害に負けない地域防災拠点の拡充
小此木氏と同じく、防災と温室効果ガス削減の両方を公約に入れている数少ない候補です。気候変動以外の部分でもそうなのですが、全体的に政策はかなり具体的になっています。
林文子(はやしふみこ)75[元]会社会長 ③無現
<HP上の選挙公約から抜粋1>
【実現施策Ⅰ-⑥】コロナ禍克服
いのちと生活をまもる基本である強靭な危機管理体制を構築し、緊急時には行政としての役割を強力かつ的確に遂行するとともに、皆さまの災害への自助・共助の取組みをしっかりと支援します!
• コロナ禍対応を契機としたパンデミック対応システムの確立
• 金沢水際線護岸整備や大黒ふ頭海岸保全施設の整備など高潮・高波対策強化
• 河川改修や雨水幹線の整備推進
• ハザードマップの更新・配布、活用方法の普及
• 市民一人ひとりのマイ・タイムラインやIT等を活用した解りやすく使いやすい避難行動システムの普及
• 避難所における感染症や対応診療資機材の区役所単位の配備
• 社会的弱者、多様性社会、女性に配慮した一層きめ細かい防災・避難計画や避難場環境整備の推進
• 主要幹線や災害時拠点へのアクセス道路等の無電柱化推進
• 複合災害(パンデミック+地震+水害)など、あらゆる事態を想定した見すえた強固で体系的・総合的な危機管理システムの構築
<HP上の選挙公約から抜粋2>
【実現施策Ⅳ-⑪】
全国に先駆けて「Zero Carbon Yokohama」を宣言した横浜市として、
横浜経済の活性化との両立をめざした横浜型の脱炭素社会(カーボンニュー
トラル)実現のため多様な取組みを本格的にスタートします
•「Zero Carbon Yokohama」の計画的実現のため、中期目標の設定や目標達成のための具体的検討に着手
• 脱炭素社会にオール横浜で取り組むため、市民や事業所等への普及や啓発を丹念に実施
• 金融機関とも連携した脱炭素への具体的取組みのロードマップの明確化
• 再生可能エネルギー活用への優遇措置など事業所等の取組みへの積極的支援
• 市内での脱炭素関連産業の育成や研究開発への取組み支援
• 東北 13 町村との連携協定にもとづく取組みの推進
• 再生可能エネルギー活用による発電等創出の支援
• 新市庁舎 RE100(注)の実績を踏まえ、2050 年までに18 区庁舎の再生可能エネルギー 100%化を目指す「市役所 RE100」の着実な遂行
(注)RE100 は「Renewable Energy 100%」の略
• 2050 年二酸化炭素排出実質ゼロを表明している全国の市区町村に呼びかけて設立した「ゼロカーボン市区町村協議会 ( 会長:横浜市)」として、脱炭素社会の実現に向けた政策研究や国への提言を実施
現職の林氏も防災と温室効果ガス削減の両方を掲げています。現職なので、横浜市が今取り組んでいる気候変動対策を継続・発展させようとしているといった印象です。
松沢成文(まつざわしげふみ)63[元]神奈川県知事 無新
<HPのマニフェストより抜粋1>
1新技術・環境
●大都市ヨコハマの「都市農業」は新たな成長産業。ドローン等の活用を進め、「6次産業化」などのビジネス支援により、地産地消で安全安心な食の確保を勧めます。中学校全員給食の食材にも利用します。
(中略)
●公共スペースの受動喫煙防止対策(プロジェクト7参照)にあわせて、EV・FCV(排気ガス・ゼロ車)の普及を図り、花粉症対策も進めて、「クリーンエア・ヨコハマ」を実現します。
●自然エネルギーの活用とエネルギーの地産地消を進め、「カーボンニュートラル都市・横浜」を実現します。
<HPのマニフェストより抜粋2>
4 安全・コミュニティ
(中略)
必ず来る大震災に備えて、無電柱化、防災公園化、公共施設等の耐震化、帰宅困難者対策、防災訓練の充実、他都市との連携により、ヨコハマの防災力・減災力・復興力を強化し、より安全なまちに転換します。(後略)
温室効果ガス削減も、防災も、触れているかどうかのギリギリのラインですね(震災への対応は他の災害への対応にも役に立つので一応書きましたが)
まとめ
福田氏以外は一応防災には触れていました。防災と温室効果ガス削減の両方にある程度触れているのは、小此木氏、山中氏、林氏だけでした。