ワフタンゴフの手帳から(1911年3月17日)
システムのプラン
1.サークル(注意の輪―訳者)
一般的な理解
筋肉
信じること、ナイーブさ、正当化
2.集中力
対象への注意 ― 思考、物、行動、感覚
3.エネルギーの減少。エネルギーの増加
4.情緒的感覚
5つの感覚器官
5.感覚の根
複雑な感覚。感覚のガンマ
6.コミュニケーション
光線の受容。光線の放射。
適応
光線の放射 ― 感覚の反動 ― 私は君を納得させる
光線の受容 ― 感覚の受容 ― 私を納得させろ
セルフコミュニケーション(私と、私と) ― 感覚とのコミュニケーション
自己説得 ― 事実の整理(自分との会話)。
自己発露 ―
自己集中 ― 自己とも他者ともコミュニケーションを望まない状態。
感情の隠蔽(精神的なずるさ)
いかにして相互コミュニケーションの技術を鍛えるか
1.情緒的感覚を癒し、それを相手に伝えようと努力する。
2.事前の情緒的感覚の発達無しに、自分の中にすぐに身体的な感覚を呼び覚ますか、精神的な電流を受容するように努力する。
解説:ワフタンゴフのこのメモ書きはシステムのプランという題名が使われているが、演劇学校で学んだものをリスト化したものなのか、それとも自分でシステムをまとめなおしたものなのかは不明である。
ただ、光線の受容などは『俳優の仕事』にも登場しており、この頃に学んでいたシステムと関連していることは間違いないであろう。スタニスラフスキー以外、スレルジーツキイの授業をメモしたものの可能性もあるが、やはり明確なことは言えない。