【退院報告】ロボット手術とか入院中に聴いた『日曜天国』とか
ゆーしんけんです。ご無沙汰しております。
10月16日に退院できましたので報告させてください。
左腎盂がん治療のため、10月8日に出術を行い無事成功しました。
当初は18日に退院予定だったところ術後の経過もよく繰り上げとなったようです。
noterの皆さんからは術前・術後にかけてコメントやスキをいただき大きな励みとなりました。
ありがとうございます🙏😊
ここからは手術の経緯や入院生活で感じたことなどを書きたいと思います。お時間ありましたらお付き合いください。
ロボットって!?
「腹腔鏡手術になりますが、ロボットで行うかもしれません」
7月に泌尿器科の先生から説明されたとき
わたしは思わず声に出しちゃいました。
「ロボットって・・・あの医療ドラマで見た・・・ダビンチですか!?」
「そうですね」
先生はそのロボット名こそ繰り返しませんでしたが否定もしなかったのです。
二宮和也主演による医療ドラマシリーズ『ブラックペアン』(TBS日曜劇場)で「ダビンチ」が登場したのは2018年のこと。今年は『ブラックペアン シーズン2』が放送されており、まさか自分自身がロボット手術を体験しようとわ。
左の腎臓を全摘出するというから「お腹を切り開く」ような光景をイメージしちゃいますよね。
しかし医療の進歩により手術の傷はずいぶん小さくて済むらしいのです。
先生曰く「腹腔鏡なので2~4センチ程度切ることになるでしょう」とのこと。「大きくてこれくらいかなぁ」と親指と人差し指で長さを示してくれました。
(ホワンホワンホワンホワン・・・時が経つ効果音)
夏から秋へと季節が変わり
いよいよ手術の日。
わたしは全身麻酔の説明を聞きながら思いました。
だよね。麻酔で眠っているうちに手術を行うんだから「ダビンチ」を実感することはないのか。
ちょっと残念だったのが正直なところです。
ストレッチャーで手術室に入ると、空気がシンと静まりかえって「無菌状態」を思わせる別世界。厳粛で体を動かせるような雰囲気ではありません。
仰向けになったまま眼球を視界の限界まで動かして周囲を伺うものの「ダビンチ」らしき気配を感じることはできませんでした。
やがて麻酔で意識が遠のき、起こされたときは手術が終わっていたのです。
「うまくいきました。これですね。切除した腎臓」
手術を担当した先生の一人がビニール袋に入ったそれを両手に乗せて見せてくれました。
「ああ。オレはこれから右の腎臓だけで生きてゆくのか。片桐仁ならぬ“片腎(臓)ないん”だなっ」
なんてギャグを考えようとする力は残っていたからショックは少なかったのでしょう。
手術にかかった時間はおよそ5時間。予定通りだったそう。
その日と翌日はICU(集中治療室)で過しました。
3日目からは4人部屋に移り、本格的な入院生活のはじまりです。
その間にロボットのことを耳にしたのですがそれは終盤で。
※ここからは個人的な不満を爆発させるため、ときどき乱暴な言葉を使います。寛大な気持ちでお読みいただけると幸いです。
深夜の音出しだけは勘弁して
昨年10月から入院することが増え、これで4回目。
1年前は同室の患者さんたちのさまざまな“癖”が気になってストレスがたまったものです(“癖”という表現は適切でないかもしれませんが、他によい言葉が見つかりませんでした)。
たとえば、病室なのに腰から金属製のキーホルダーを下げている30代のあんちゃん。動くたびに「ジャラジャラ」鳴ってうるさいったらありゃしない。
しゃべり声がムダに大きい人もいらいらする。しかも看護師さんと話す時だけ元気が良くて、他の患者とはあいさつすらしない。
なにより困ったのは「イビキ」です。わたしも知らぬうちにイビキをかいているだろうから強くはいえませんが、度を外れたイビキはなんとかしてほしい(なんともならないけど)。
「ンゴオーーッ」と文字にすれば、よくあるイビキですが。音量が違うのです。暴走族の走りを思わせる「爆音」で、本当に空気が震えます。それが消灯時間の10時を過ぎるとはじまり、ときどき10分ほど小休止するも、明け方まで続くのですから。
そういう人がこれまでに3人いました。
わたしなりに対策を講じて、イヤホンでスマホの音楽を聴くことにしました。やがて「イビキ」はあまり気にならなくなったから慣れたのでしょう。
ところが今回は思わぬ“癖”に遭遇。イビキ以上に辟易しました。
病院の注意書きでも「テレビなどはイヤホンを使って視聴ください」とあります。院内では周囲に迷惑にならないよう静かに過すことが基本ですよね。
なかにはイヤホンで視聴しながら笑い声を立てたり「アホか!」「そうそうっ」などと相づちを打つ人もいます。
それはやむを得ません。
「隣の人、何を見ているんだろう。クイズ番組かなぁ」
わたしもそんな詮索をする余裕があります。
しかし、今回向かいのベッドにいた同年代の彼は違った。イヤホンを使わずに普通に音を出してアニメや音楽を試聴するではありませんか。
昼間ならばまだしも、消灯時間が過ぎて11時になろうとおかまいなし。音を出して視聴するのですから。
ようやく眠ってイビキをかき出したかと思えば、深夜2時とかに目を覚まして平然とDVDを視聴。闇の中にアニメの声がするとなおさら気になるものです。
「なんなんこのオッサン。信じられんわ」
わたしはそうボヤキつつ、イヤホンでラジオを聴くのでした。
日曜天国との再会
眠れない夜にラジオ番組を聴くなんて学生時代以来かも。
YouTubeで過去の番組を散策するわけですが、14日の夜に耳にした内容がなぜか知っている話題ばかり・・・。
「なんで?『日曜天国』は1年近く聴いてないよね」
わたしは不思議に感じながらピンときたのです。
つい先ほどnoteで読んだゆらゆらミルコさんの記事が蘇りました。
ストレスを忘れるには『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)がぴったりです。それをきっかけに過去放送分をいくつか視聴しました。
そんな中、7月14日放送回に外科医・山本健人さんがゲスト出演して「ロボット手術」について語ってました。
「え、めちゃタイムリーなんやけど」
興味津々で集中するわたし。
山本さんによると、ロボットを用いることで手術の精度が高まるらしいのです。
ロボットを操作するのは医師ですが、人間の手では届かなかったり曲げきれない角度の手術が可能になる。
患者にとってはもちろん、医師の負担も軽くなるためロボット支援を導入する病院が増えているとのこと。
いやー、それにしても安住紳一郎アナウンサーはおもしろいしうまい!
久々に『ニチテン』を聴いてプロの手腕を思い知りました。
医師も唸った術後の経過
入院中は『白い巨塔』さながらの教授総回診があります。
大先生が研修医らしき若手を数人連れて患者に声を掛けてまわる感じですね。
それとは別に担当医などによる回診が3回ほどあったように思います。
わたしの手術には関わっていない30代の医師によるひと言が印象に残りました。
「16日に退院の予定ですね。ちょっと傷の状態を見せてください」
腹帯をとってガーゼを外した彼は「まだ術後5日ですよね」と看護師さんに確認しながら
「やっぱりロボットはすごいなっ」
とこぼしたのです。
彼の驚きようから現場の医師たちがロボット手術に注目していることを実感しました。外科医・山本さんが話したことは着実に広まっているようです。
そして闘病は続く
妻と二人で術後の日常生活について栄養指導を受けたのですが、特に「塩分摂取量を控える」必要があるそう。
塩分をとりすぎると「血液量が増えて血圧が上昇」してしまい、腎機能の低下をまねくというのです。
加工品の場合「塩分がどれくらい使われているか」という表を見せてもらいました。
食パン(6枚切)1枚あたりの塩分量は「0.8グラム」。うどん(ゆで麺)1玉もほぼ同じ。
明太子は小1腹分(30g)あたり「1.7グラム」になりますが、驚いたのは即席ラーメン。
即席ラーメン1人前に入っている塩分量は「5.6グラム」もあったからです。
これからは、一つになった腎臓をより大切にせねばなりません。
「できるだけラーメンは食べない。もし食べたとしてもスープは残す」
そう心に誓いました。
これからはよりいっそう食生活に配慮しながら日々を過し、定期的に通院して投薬治療を続けることになるでしょう。
noteで病気に関して触れることは少ないと思います。ただ必要に応じて闘病者なりの感情をほのめかすことはあるかもしれません。
そんな調子で投稿を再開します。どうぞよろしくお願いいたします。