俺の「ワイルド7」たちよ健闘を祈る|望月三起也さんに捧ぐ
まずは私事から入って恐縮ですが、話しの繋がりに必要なためお付き合いください😌
つい先日、64歳になりました。
わたしが中学生の頃に聴いたビートルズの『When I'm Sixty-Four』は(たぶんポールが)歳をとり64歳になった頃を想像して書いたのでしょう。
彼女に「ボクが64歳になっても一緒にいようね…ボクを必要として、ボクのために料理も作ってくれる?」と問いかけるような歌です。
そしてフォークソングの旗手、井上陽水は『人生が二度あれば』で父親が「65歳」母親が「64歳」になったわびしさを歌っています。
当時の自分に言ってやりたい。
「お前もそんな歳になったけどまだ“中ニ”みたいなことばかり考えてるぞ」って。
そんなわたしの中学時代と言えば
脳内の大部分を占めていたのは
「天地真理」
「アントニオ猪木」
「ブルース・リー」
そして
「ワイルド7」でした。
望月三起也さんによる名作漫画『ワイルド7』と繋がったところで、本題に移らせていただきます。
『ワイルド7』ってなに?
『ワイルド7』に関してはさまざまな世代のファンの皆さんがネット上で語っていますし、Wikipediaにもかなり正確な情報がみっちり書かれているため詳細はそちらに譲ります。
とはいえ、全く知らない方もいらっしゃると思うのでざっくり触れておきますね。
元警視庁の草波勝が、社会の裏を知り尽くした悪党どもから選抜して組織および訓練した“秘密警察”がワイルド7です。
リーダーの「飛葉ちゃん」はホンダのナナハン(750CC)を巧みに乗りこなし、銃の腕前は抜群。
八百長試合で野球界から追放されたもとプロ野球の投手「八百」や、義理と人情に厚いもと上州組の「親分」。
もとサーカスの花形ブランコ乗り「世界」、石頭(硬い)の「チャーシュー」はラーメン屋の出前持ち。
火薬製造会社で働いている「両国 」は爆破のエキスパート、怪力の「ヘボピー」はゲバ学生を支持しながら、ふだんは沖仲士をやっている。
ほかにも途中から対戦車ライフルを装備したバイクに乗るセクシーな美人「みそっかすのおユキ」など強力なキャラが出てきます。
とにかく飛葉ちゃんをはじめ、愛車や愛用の銃について魅力的に描かれており、バイクや武器に興味がなくても「望月三起也ワールド」に引き込まれちゃうから不思議。
『ワイルド7』はテレビドラマや映画として実写化されています。しかし私にとっての『ワイルド7』はあくまで漫画に限ります。
漫画やアニメを実写化すると賛否両論あるものです。私は必ずしも実写化に反対するわけではありません。
例えば『ドラゴンボール』のハリウッド実写化映画『DRAGONBALL EVOLUTION』は予告編だけ見てさすがに「これはないかな…」と期待しませんでした。
でも『るろうに剣心』シリーズや近年では『キングダム』シリーズの実写映画など「これはこれでおもしろい!」と楽しんでいます。
だけどもだけど、『ワイルド7』はどうしても漫画・コミックじゃないと納得できないのです。
私と『ワイルド7』
私が通っていた中学校の近くに貸本屋があって、ほぼ毎日入り浸ってました。一泊二日で10円ぐらいだったかなぁ…。
※参考サイト
貸本屋では借りにくい大人っぽい漫画「高校生無頼控」なんかを立ち読みしてました(汗)。
お店のおばちゃんは本当にハタキで本棚をパタパタやりながら「あんたらにはまだ早い」とプレッシャーをかけてくるんですよ。
そんな中で私がなぜ『ワイルド7』に巡りあったかよく覚えてません。でもハマってしまい、1冊借りては返すまでに内容を頭に叩き込もうとして4~5回は読んだものです。
自宅の勉強部屋(3畳半を弟と2人で使っていた)で机の引き出しに隠しながら、親の目を盗んで夜中まで読みふけりました。
学校の成績は急降下しましたが、そんなことかまってはいられません。それほど魅力的な漫画でした。
それを説明する文章力を持たないのが悔しいです。
可能な限り言葉にすれば「手に汗握るアクション」の描写力。漫画でカーアクションやガンアクションをあれほどの迫力で描く漫画をいまだに読んだことがありません。
例えば飛葉ちゃんはクレー射撃や猟銃に使う「ショットガン」(散弾銃)を愛用します。望月ワールドにかかればまるで「伝家の宝刀的な秘密兵器」になっちゃうんですから。
さらに主人公の飛葉ちゃんだけでなくメンバーそれぞれの事情とピュアな人柄。基本的に「弱い者に優しく、悪党には容赦ない」ところ。
特に中学1年から2年にかけて貸本屋に通いました。その頃から私のなかに「男の美学」的なものが育まれたとすれば『ワイルド7』によるところが大きいといって過言ではありません。
他にも望月作品は、めちゃカッコイイ探偵漫画『秘密探偵JA』や第二次世界大戦の戦場を題材にした『最前線』なんかも全部借りたけど、やっぱり『ワイルド7』なんですよね~。
大人になってからも古本屋で『ワイルド7』のコミックを探しては読みました。いつ読んでもやっぱりおもしろかった。
「いつか望月三起也先生にお会いできるようなことがあれば、感謝の気持ちを伝えたい」なんて本気で思っていたものです。
望月三起也先生は2016年に77歳で亡くなったため、それが適わなかったのが心残りでした。
そんなとき、ふと閃いたのです。
今回、noteの「創作大賞2024」に応募する作品を“俺の「ワイルド7」たち”と称して紹介することをお許しください。
俺の「ワイルド7」たちよ健闘を祈る
・#ファンタジー小説部門 『高2女子がゴイサギとリンクしたら世の中が1ミリ動いた』
・#ミステリー小説部門 『歴研部員「橘の君」事件簿』
・#お仕事小説部門 『noteの街に風が吹く:小説的考察』
・#エッセイ部門 『入学式の日、満開の桜のした、気になるあの子を思い浮かべても』
・#エッセイ部門 『帰省のススメ!“超高齢化”社会に向けて「シニアを元気づけよう」』
・#オールカテゴリ部門 『「でんでらりゅうば」歌い継がれる魅力を考察』
・#エッセイ部門 『水天宮(全国総本宮)で感じた不思議なご縁【散策エッセイ】』
・プラスワン #オールカテゴリ部門 『俺の「ワイルド7」たちよ健闘を祈る|望月三起也さんに捧ぐ』
あとがき
「ゆーしんけん、そんなにいっぱい出し過ぎじゃね?」というご意見もあろうかと思われます。
でも小説家の蝉川夏哉さんと司会者はnoteが企画した講座の中でこう話していました。
「応募しやすい賞ですので、皆さんぜひ奮ってご応募ください」
「1日に1万7千字書ける人だったら2日で一本いけますから余裕ですよ」
「ひとりの(出品数の)上限はないので…7月(23日の締め切り)までに何本出せるかチャレンジいただいても一向にかまいません」
ということだから、これでいいのだ🙆♂️
補足
望月三起也先生が色紙に「飛葉ちゃん」のイラストを描く場面が出てくるレアなインタビュー動画です。
※参考にした文章および動画。
Youtube「noteチャンネル」『異世界居酒屋「のぶ」』蝉川夏哉さんに聞く「小説のキホン」
Lucca Manga School『Mochizuki Mikiya』