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植物と音楽とノヴァーリスと自分の仕事
”甲殻類や植物や動物の形、雲のかたち、音の振動がガラス板にまいた砂に伝わってできる波形、雪の結晶などは、内に働く力や形態のパターンとなって表れた姿として、「結晶のような形成物」とみなされる。これらのパターンのことをノヴァーリスは「フィギュア」Figurと呼んでいる。フィギュアは運動の表現である。
音楽的な状態が自然本来の基本的状態であると私には思われる。
結晶作用ー科学的振動の音響的フィギュア ”
ノヴァーリスと自然神秘思想 中井章子(創文社)
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野生児だった私が、子供ながらに魅了されていたのは、この植物の繰り返し繰り返し、成長していく音楽だったのだと思います。
上へ、地表へ、まっすぐに、うねりながら、旋回しながら。
花、という終点で極まる生命の。
はるは特にそれを観察するのに適した季節
繰り返しがまとまる。くくられた、繰り返し。
立ち上がる気配、ひと枝ごとのメロディと、樹木のハルモニア、リズム。ほらすべて揃っている。演奏家も作曲家も必要ない。
こういう気配にたちあうとき、明らかに聴覚が目覚めていく。鼻から嗅いで、耳の奥の感覚毛がくすぐられていく。
たった12音しかない音の粒に、本当に音楽の生命を与えているものは何なのか。
私が触れてきた音楽はこれだし、これを伝えるための言語として12の音粒があるだけだ。人のなかにもこれと同じものが息づいていることを確かめるために。
SDGs(持続可能な開発の目標)ということが言われ始めていて、そういうこととどこかでむすびついていくのではないかと思うのです。人が自然から切り取られた存在や癌となる以前の、自然とリンクした具体的なその糸を手繰り寄せることの必要性。
どこかで、そう思いながら、仕事をしている。
多分、やめないのはそこにある。
以前に、あなたの話を聞いているとノヴァーリスを思い出す、言われたことがあって、そんなたいそなもんじゃないし、と、笑ってごまかしたけれども、今はそれにちかいものであれば良いと思ってる。utena drawing も、音楽プロセス体験も。
漕ぎ出すのは小さな覚悟。
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![音楽前夜(谷中みか)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7090636/profile_2833076fb42d76adaa0ff1b7ed0f2e8a.jpg?width=600&crop=1:1,smart)