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utena.m.f風の音楽室〜オンラインその後

風の音楽室

生徒たちが完全復帰して、音楽室は風の中フル稼働となっています。

風の中、というのは、ワーク中も部屋中の窓を開け放しているから。

これ、本当はずっとしたかったことなのですが、ご近所迷惑になるかな、とできなかったこと。でも、庭はあのとおり、広々としているし、ご近所さんたちも温かい人ばかりなので、甘えさせてもらうことにしました。

風が子どもたちの笑い声やまだまだ細いピアノの可愛い音色をさらって行きます。

わらべうたを歌うあいまに鳥の見事なさえずりが合いの手を入れてきます。

カーテンが揺れて、邪魔をします。

雨の日には雨の湿気と音がワークの中に入り込んできます。(ピアノのメンテナンスが大変だけど・・・)

それを微笑んで受け入れて頂いてるご近所さんたちには本当に感謝。

音楽が外に自然に溢れて行くって、悪いことじゃない。
(私のしつこい繰り返し練習は流石に窓を閉じます。)

柔らかくなって音が風に運ばれる。

問い合わせ

電話やメールでの問い合わせも多くなり、あっという間にわずかにあったレッスン枠の空きも埋まってしまいそう。アフターコロナはゆっくりマイペースを大事に仕事しようと思っていたのだけれども、ありがたい誤算。レッスン室の紹介記事を有名サイトに載せませんか、というメールが届いていたけれど、私は、検索して私のHPに辿り着いた、というプロセスを大事にしたいなと思っています。HPにレッスン枠いっぱいですと書いてあっても連絡をいただく人は、あれを読み込んでいただいてて、ここでなければ、という思いも強く、半ば音楽の共有ができているので、面倒くさいストレスなくすっとワークに入ることができます。私も少し無理してもレッスンしてあげたいと思う。

風通し、大事。

決められた枠の中での教室紹介はうちは向かないな。

オンライン後の生ワーク

入ってくる子達の多くは、開口一番

「ああー、お絵描きしたいー。」

お絵かき、というのは utena drawing のことで、うちの独自の音楽伝達方法です。

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そう、オンラインじゃできんかったもんね。
この生のやりとり、そんなに子どもたちにとって大事なものになってたことが嬉しい。オンラインで固化してた身体の蘇生をうながすように、描く子どもたちの動線が躍動します。

音楽というのは動き、だからね。

じゃあ、オンラインは生ワークより劣るのかというと、そうではなくて、オンラインワークを通じてひとまわり成長したのは、生徒たちの姿勢。目を見て話せなかったがしきりに目があうようになっていたり、私の質問を恥ずかしくてはぐらかしていた子が嬉しそうに返答を返してくれるようになっていたり。身体を分断されていたことにより、むしろ、クリアに見えてきたのは互いの「個」の場所。届くまでの距離。

一人になることで、遠くから呼びかけることで、自分の中の自然が呼び覚まされてくる。精神と精神が呼び合う、みたいな、そんな体験もできたオンラインワークだったな。

そして何よりも、今、こうやって音楽室で生でそれをできる、身体を通して一貫した人と人とでその対話ができる楽しさを、私達は知ってしまった。

祝祭のように。恩寵のように。


愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!