大切なことはみーんな「メリさんの羊」に教わった
主食は「メリーさんのひつじ」
とにかく、「メリーさんのひつじ」が主食。あとは、雑魚。
毎週くるたびに、「メリーさんのひつじ」ばかりをドローイングしたがる女の子がおりまして、多分、一年以上、こればっかりやってました。その合間をぬって、ほかのドローイングもやってみたり、手遊びしたり、最近少しづつピアノも弾きはじめたところ。でも、しばらく我慢していて、もう許されていい頃だ、とばかりに「お絵かきしたーい」と言って、いつものメリーさんの羊。
よく飽きないものです。
はじめのころは、うたの音程もとれない、拍にもうまくのれなくて、左右に揺らす様子がぎこちないのがもう可愛さ満点の幼児さんでした。
冬休みには、「なんでもよいからおうち練習がんばったら、プレゼントもらえる期間」というのを毎年開催していまして、その間、ピアノにもたくさん触れて遊んだきた彼女は、2小節もえっちらおっちらだったのに、いきなり完璧にメリーさんのひつじを演奏して見せてくれたのでした。
(ちなみに、「おうち練習頑張ったら、プレゼントもらえる期間」は、毎年冬至の会のあとに3週先までの日にちを書いたカレンダーを渡して練習忘れずにできたらご褒美あるからねー、と言って、私は確定申告の書類つくりやら実家の手伝いやらやって、あと、休めるだけ休む2週間となっています。ご褒美はあってもお咎めはないので、お好きにどうぞって感じです。)
それだけでも驚きでしたが、左弾いてみる?と言ったら、やってきたよー。とのお返事。なんと。(きっとおねいちゃんがやさしく根気よく教えてもくれていたのではないかと推測されます。)あっさり弾けていました。
音程もリズムも上々。
そして・・・いつものように、もういい頃だろうとばかりに、「お絵かきしてい〜い?」と。
いいよ、といって、これだけのことができるなら、もう次のステップ、と思って、今日は別のを描こうとしたけれど頑なに「メリーさんの羊」したいーー。
丁寧に描きながらうたう音程も上がり下がりが自由になってきて、もともとノリノリで歌ったりするタイプの子ではないので、でも、いつの間にか安定した拍を描きながら、その世界にしっかりと組み込まれて、楽しんでいる様子。最初は、手を添えて、私が誘導するのにされるままに描いていたお嬢さんが、いまや自分の羊をかいて、最後の顔まで自分で描いて、いい時間を過ごしていたようでした。
そして、そう、いつの間にか、キチンと音楽の基礎的なところをしっかりと習得していたのには、本当にこちらが学ばされました。
そう、メリーさんの羊一曲でも音楽は学べるのですね。
メリーさんの羊一曲で音楽は学べる!
これは青天の霹靂。
でも、かんがえてみたら、それはそうで、
メリーさんの羊には、拍・拍子・リズム・主音・メロディ・基本的に音楽であるものの要素が生きています。彼女は本当に何度も何度もこの絵描き歌(utena drawing )をなぞりながら、わからない、と言って私の手を誘いながら、いつ終わるともしれない遊びの中で確実にそれを育てていたことには驚くばかりでした。