音楽と対話するドローイングの紹介です
音楽を描く(utena drawing)
音は、 時間の中にあります。
耳を澄ませる、ということは、
時間に心を寄せる、ということでもあります。
音楽に耳を澄ませ、そのさまを描く。
そこには、どんな形であれ、
音楽と、”私”とのふれあいが あります。
描かれたものは、かけがえのない”私”の時間の経過でもあります。
utenadrawingは、音楽を描いてみる、というちょっと変わった方法です。
そしてそれを支える内容・理論の方はもっと風変わりなものかもしれません。
このワークは演奏の単に上達だけを目的とするだけものではないからです。
ここでは音楽が生まれてくるプロセスを大切にします。
音楽は楽譜の点のところではなく、音と音のプロセスに宿り、
人の体験もまた音と音の間にそのリアルがある、という観点からの観察。
この方法(utena drawing)は、
描く人の感覚や意識を音楽の根源的な体験を浮かびかがらせてくれます。
その経過の中で、音楽が苦手な人が楽器を手にとってみたくなったり、自然に鼻歌が歌いたくなったり、演奏する意識が変わったり、演奏の深まりに伴う音程感、リズム感の理解、・・それは自然な仕草として起こり得ることです。
●utena drawingの音楽の捉え方
音楽はとても豊かなものですから、情報もたくさんです。
拍・リズム・音の上がり下がり・コード・・・ごっちゃになっているために難しく感じてしまう情報を時間をかけてときほぐし、シンプルに捉えていきます。
そして、その間を行き来するエネルギーを感じ、その動きを理解していく方法を、それぞれの体感に応じて模索しています。一つの曲としてつたわるものの中で、それぞれの時間を多相に織りなしている動きとは一体どんなものなのだろう・・そういう音楽の理解の仕方を学びます。理屈よりも、実感において。
●自分の音楽ってあるの?
だれでも、自然な感覚と、人間としての理解への感覚は、枝葉のところではなく根源的なところで働いています。そして音楽は、それをうつしとる美しい装置です。人の心も音楽も、同じように、多層的でそして全体でひとつ。このワークでは、音楽を理解の対象としながら人の内と外を結んでいる感覚を紐解いていきます。 ですから、このワークで大事なのは自分の感覚でとらえるということ、自分の音楽をないがしろにしない、ということなのです。ここではそこからの経過(プロセス)を大切にします。
入門講座では感じることへの気づきから始めます。
また個人ワークでは、感覚と楽曲理解のフィードバックの中で、内的音楽フィールドの形成を促します。そうするうちにリズム感や音程感は理解と体感によって安定し、良い土地に植物が自然に芽吹くように内的に音楽が生き生きと息づき始めるのです。utena drawingは『誰のものでもない自分の音楽を育てる』ために役立てていただきます。
●なにを描いていて、それでなにをやっているの?
無心に描いていると、誰もがいろんなものがみえてくる(きこえてくる)ようになります。音楽のこと、自分の癖、画用紙やクレヨンの質、空間・響き・・・すぐにわかること、時間をかけて理解していくこと。人には「理解する」という素晴らしい能力があります。情報を拾い理解する。今わからないものも明日にはわかるかもしれません。
情報収集のテクニックが要です。それは聴き方を左右します。
また、講師としても、動線から情報を拾い、それを「囚われのない目」で判断し、その人の体験に寄り添う伝え方を心がけています。
●utena drawingが生まれてきた背景について
私が音楽教室でレッスンをしているとき、子どもたちに音楽を伝えるために、「こんな感じよー」と描いて見せて「描いてみるー」という感じで自然に始まったものです。
自然な経過で始まった、といってももう少し前史があります。
誰しもに起こりうる危機的状況とそれを修復していった過程・・その経過の中での体験から拾ってきたもの。夢中で集めてきたたくさんの出会ってきた本や理論、出会ってきた出来事、人。
音楽には人を高みにあげる力と、人の低いところ深く細いところまで流れ込んでくる力があります。その、あいだに私の体験はあります。それはごく個人的なものであるかもしれません。けれども、個人的なものも扉を開ければ、伝えあえるものになる。なぜなら、だれしもが持っている理解、という力があるから。
その伝わる方法が、「音楽を描く」ということだったのです。
細かいことは、ええんよ。
わかるって、楽しいことなんよ。
と私を諭してくれた、ある受講者のかた。
伝わるって嬉しい、ありがたい。と私も嬉しくなります。
わかるって、楽しい。
それに尽きるのかも、と思ったりします。
⚫︎こんな方に
音楽で感覚を育みたい人、音楽を生涯友として暮らしたい人
音程が取れない、リズムが取れない、など音楽に関する悩みのある人
ハウツーではない音楽の深まりを求める演奏家の人
音楽教室やセラピーなどへ活かしたい人
音楽からうんと遠いと感じる人にも。
プロ、アマチュアを問わず、この方法が必要な人の琴線を揺らすことを願ってお勧めします。
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受講者の声
新鮮でした!まさか!なるほど~!そういうことか!
そしてこれはわかりやすい…!とうなりました
「音楽を平面に描く」ことにより
学習に癖がある、こだわりが強いなど
独特な個性を持った人へのアプローチにも
この方法なら有効だと考えていて
実際にレッスンを受けて
納得しました
私自身が、レッスンで描いている中で
何につまずいているか気づかされた
貴重な体験でした
後に気がつきましたが
谷中さんのリードで音に合わせて描くスケッチは
ギター演奏の右手の動作を
図解にしたようでもありました。(ギタリストのAさん)
実感と理解を結ぶ、音楽プロセス体験
初心者にもおすすめ
さらに深めたい時のために
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講師 谷中みか(utena music field )
愛媛県で音楽教室を営むかたわら、東京などで音楽プロセス体験とutena drawingワークショップを開いています。
2020年よりオンライン化も展開、現在模索中。
1963年生まれ。牡牛座。
長文お読みいただきありがとうございました!
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