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第119話 ビルゲイツに学ぶ 問題は分解すると本質が見えてくる 20241204

大切にしている考え方がある。
この考え方に沿って物事に取り組むと、比較的容易に問題解決することができる。

その考え方は、

「何が問題の本質なのか?」である。

問題の本質とは、表面上の現象ではなく、その根本にある原因を理解することだ。
氷山の一角で、現象は上の目に見える部分、本質的な問題は下の見えない部分であるとよく例えられる。

シンプルなようでいて、意外に難しかったりする。

わたくしの勤め人(サラリーマン)業務に置き換えてみよう。
あるメーカーの工場内でのエピソードである。

ある作業者から、とある作業を改善してくれと依頼があった。
よくヒアリングをしてみると、以下が問題だと彼は言う。

・この作業すると腰がいたくなる
・疲れが蓄積して抜けない
・とにかくどうにかしてくれ
といった声だった。

わたくしは、はじめこの作業の一部を機械に置き換えて、軽労化しようと思った。
※軽労化とは、人による仕事の労力や疲労を軽減し、労働による傷病リスクを下げる技術や概念である。

しかし、作業を分析したり、他の作業者へのヒアリングなどしてみると、意外なことが分かった。
まず、別段腰が痛くなる作業ではないし、重量物を持つわけでもない。
さらに、他の作業者からの同様の意見はない。
作業者の年齢的な差異もない。

結論、彼はプライベートの運動で軽度のヘルニアを発症していたことが原因であった。

彼自身がヘルニアにきずかず、たまたましていた作業が原因と思っていたのである。

彼はその後、通院してヘルニアが完治し、今日も元気に同じ作業をしている。

もし、問題が作業にあると決めつけていたら、しなくてもいい設備投資を行い、作業を機械化していただろう。
問題の本質を理解しないと、誤った解決方法を用いてしまうのだ。

これと類似している好きなエピソードがある。
ビルゲイツがマイクロソフトを創業して間もないころの話である。

マイクロソフトがパソコンメーカーにソフトを依頼されたとき、ある技術的な問題により、パソコンメーカーから苦情が来たことがありました。
クライアントがたいそう怒っているということで、社内は混乱していました。

とにかく、原因の技術的問題を解消しなければこの問題は収まらない。
マイクロソフトの社員はみんなそう思い込んでいました。

そんなとき、ビル・ゲイツは困難を分割しました。
技術的問題はクライアントの怒りからは独立した問題だと。

どうやらクライアントが怒っているのは技術的問題よりも、担当者との性格の不一致に原因があったようです。

そうして担当者は替えられ、クライアントをとにかくなだめる任務に就くことになりました。
他方で技術的問題はエンジニアたちが全力で解決に向かってまい進していました。

こうしてクライアントとマイクロソフトの関係は、なんとか立ち直ったのです。
技術問題と外務問題を切り分けることで、この事件は終息を迎えました。

ビル・ゲイツが「その問題とこの問題は独立している」とよく言っていたことを覚えています。
こうした課題の分割は、複雑な問題を効率的に解決するうえで重要なことだと思っています。

↓ 引用元

このように一見複雑そうな問題も分解してシンプルに考え、それぞれの問題を解決していくと良いのだ。
この考え方もとても役に立つ。

わたくしは不動産賃貸業をしており、実際にビルゲイツの考えを応用した。

入居者の1人で、元軍人の腰は低いがクレーマーなおじいちゃんがいる。
このおじいちゃんからの物件に対するリクエストは激しい。

・扉の開け閉めがしにくい
・駐車場に車が止めにくい
・雨漏りがしているような気がする
などなど

どれも内見時に確認済みであるが、おじいちゃんは気にいらないらしい。

これは、ビルゲイツの話と同じで、

どうやらおじいちゃんが怒っているのは物件の不具合ではなく、管理会社の担当者が取り合ってくれないことが原因であった。

そのためわたくしは管理会社にお願いして、担当者を変更してもらい、そのあと、不具合のある扉にシリコンスプレーをシュッとしてもらった。
暫定対策であるが扉はスムーズに動くようになった。

おじいちゃんは大満足であったそうだ。
おじいちゃんは主に自分の意見が担当者に届いていないことに怒っていたのだ。

もし、問題を取り間違えて、扉を新品に、駐車場の拡張工事、屋根の補修などをしていたら、わたくしのキャッシュはすぐに底をついていただろう。

これらの話のように、複雑な問題は分解してシンプルにして、問題の本質に注力して対応する。
勤め人としても、大家としても、その他どんな立場でもこの考え方は有効だと思っている。

おわり。

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