見出し画像

第136話 金持ち美容師と貧乏美容師 美容師から学ぶビジネスの基本原理 20250119

転勤族は、転勤ごとに新たな美容室を探さなければならない。
わたくし自身も転勤後に数店舗の美容室を彷徨い、自分のあったお店を探している。

数店舗を通う内に、似たような店舗経営をしているお店であるにも関わらず、一方は金持ち美容師、もう一方は貧乏美容師であった。
双方の美容師と会話する中で、ビジネスを成功させるための基本原理が垣間見えた。
この随筆でその基本原理をご紹介したい。

まず、金持ち美容師と貧乏美容師の共通点を紹介する。

共通点
①1人経営の個人店である
②集客はホットペーパーのみ(ルクルート(仮名)から搾取されていると愚痴ってました)
③1日の客数は4~8人で同じくらい
④業界歴20年前後、店舗経営10年前後で同じ
⑤店主の年齢40代後半ほどで同じ
⑥性格はやさしい感じで、やや口下手
⑦美容師としての技量は高い

どうだろうか?
この共通点だけみるとほとんど同じに見えてくる。
なのになぜ一方はお金持ち、もう一方は貧乏なのだろうか?

次に金持ち美容師について詳細を言及する。

金持ち美容師

見た目は、よく言えば中田英寿、悪く言えばお笑い芸人の完熟フレッシュのお父さんである。
金持ち特有の余裕を全身に身にまとっており、そのオーラーを発している。

よく言えば中田英寿
悪く言えばお笑い芸人の完熟フレッシュのお父さん

また、これも金持ち特有の現象、お金に関する話題が大好きなのである。
わたくしが、不動産投資をしていることを話すと、大変興味を持たれて、根掘り葉掘り聞いてくる。
そして、金持ち美容師の顧客に、仲介を得意とする不動産会社、リフォームが得意な工務店など紹介してくれた。

転勤して間もないわたくしとしては、大変ありがたい紹介である。
転勤先である広島県で不動産投資をする際は、紹介してもらった業者様に依頼しようと思っている。

美容師の人脈は深く・広い。
とくに金持ち美容師には、他の分野の金持ちが集まってくるようだ。

余談であるが、不動産会社の顧客と親しくなると、今度はその不動産会社の顧客である大地主が金持ち美容師のお店に来るようになったそうである。
大地主様は大変お財布が豊なので、いつもカット・パーマなど高価格帯のサービスを受けられるらしい。

また、大地主様は決まって平日夕方の15:00以降に来店されるようである。
なぜならば、株式市場が閉まるのが15:00であり、その後カットするのである。
大地主様は株式トレードにご執心であり、数千万単位を遊んでいるらしい。

大層羨ましい話である。
その数千万をわたくしに融資してほしいくらいである。

さらに金持ち美容師のプライベート面では、愛車はカスタマイズされたハイエース(推定800万くらい)であり、趣味は血統書付きの愛犬(大型)とハイエースで遠方に旅行することらしい。
とってもエレガント。
羨ましい限りである。

愛犬を見させてもらったことあるが、愛くるしく、賢いお犬様であった。
さすが血統書付き。
ちなみにその愛犬のお値段は、わたくしの愛車(ボロ車)が7,8台購入できるくらいのお値段でした。
まさにお犬様である。

さて、ここからが本題である。
わたくしが、金持ち美容師からヒアリングした店舗状況を説明しよう。

・店舗の立地:国道沿い、かつ、交差点の角地であり、この地域の準一等地。
・店舗家賃:20万円/月(相場は40万円/月、諸事情があり地主と直接交渉して、この破格な家賃で借りれている)
・客単価:1万円以上(地域最高値。基本はカット+パーマ、カット+カラーリングを選ぶ顧客がほとんど)
・カラーリングやパーマ薬剤原価:千円前後(問屋と交渉して格安で仕入れている。ぼろ儲けである)
・客層:30代以上。メインは40、50代の女性。20代の学生などは単価が安くなるため、むしろありがた迷惑のようだ。
・売り上げ:150万円前後
・店主の月収:100万円前後
・経費:家賃・光熱費・カラーリング剤などの薬剤購入費・ローン返済なし(無借金経営)

いかがだろうか?
ここまで書けば賢い読者の皆様はお察しだろう。
金持ち美容師の金持ちたる所以は、「高額の客単価×そこそこの客数 ー 最小限の経費」である。

客単価は地域最高値である。
最高値ゆえに、お金持ちの顧客(地主・会社経営者)が多く、金持ちが金持ちを呼ぶ良いサイクルが起こっている。

そして、徹底して固定費を下げる努力をしている。
家賃は相場の半値だし、カラーリング剤の原価も通常卸値の半値くらいと思われる。

(わたくしの皮算用、妄想も入っているが、いい線だと思う)
・カットカラー1万5千円ー薬剤原価2千円=粗利1万3千円×客数8人=10万4千円・・土日の1日の粗利。
・平日が土日の半分の粗利(客数半減)だったとして、5万2千円。
・土日8日×10万4千円+平日16日(週1日休み)×5万2千円=83.2万円(土日)+83.2万円(平日)=月の粗利166.4万円

 
月の粗利166.4万円ー家賃20万ー光熱費3万ーホットペッパー広告20万円ー薬剤原価19.2万=104万円(店主の月収)
※ホットペッパー広告料が半端ないのである。多くの零細店舗はこの広告料と家賃で苦しんでいる。

いかがだろうか!
金持ち美容師曰く、「如何に客単価を上げて、必要経費を下げるかが肝要なの!」と強く主張していた。
また、「最悪なのは、客数を追うことで、そうするとサービスの質が落ちて、客層も悪くなり、結果的に客単価も低くなっちゃう!」という理論を展開していた。
わたくしは深くまた首がもげるほど首を頷いたのだ。

もう一度要約すると、以下になる。

客単価を上げ、経費を最小化する。客数を増やしてはいけない。

これを実践できれば、あなたも金持ち美容師の仲間入りである(小規模運営の店舗の場合、大規模の場合はまた別の要因があるはず)。
この学びは、美容師だけでなく、全ジャンルのビジネスでも通ずると思われる。

貧乏美容師について言及しようと思うが、文字数が増えすぎてしまうので、次の随筆にしたためたいと思う。
貧乏美容師は腕はいいのに、上記の成功法則から逸脱するばかりでなく、貧乏マインドが染みついており、成功は難しいと感じた。
これも反面教師にすれば、より学べるだろう。

それでは、貧乏美容師編もこうご期待。

つづく。

いいなと思ったら応援しよう!