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第141話 なぜ海外製のタイヤは激安なのか!? タイヤ製造工程の視点から説明 20250126

皆様はなぜ海外製のタイヤはこんなに安いのかと思ったことはないだろうか?
それと同時に、海外製のタイヤは品質上問題ないのかとも思ったはずだ?

わたくしも同じよな疑問を持っていた。
なお、ここでいう海外製とはアジア諸国を指す。

たまたまわたくしはタイヤに詳しくなり、この問題も答えられる程度の知見を得たためお答えしようと思う。
特別大サービスである。

まず国産のタイヤと海外製のタイヤの単価を比較しよう。
どの商品もエントリーモデルのタイヤであり、一般サイズかつ安価で、パフォーマンス性もそこそこの商品である。

●国産 タテハマタイヤ(仮名)エコス165/55R15 単価6,800円

●韓国メーカー ハンコック Kinergy Eco2 K435 165/55R15 単価5,960円

●中国メーカー グリンランダー COLO H01 165/55R15 単価4,070円

どうだろうか?
国産タイヤと中国製タイヤとの価格差は▲2,730円(40%OFF)である。
これは1本あたりの単価のため、4本交換する場合は、▲2,730円×4本=▲10,920円も価格が異なる。

さらに、例に出したタイヤはエントリーモデルの商品で一般的な汎用サイズである。
特殊サイズやハイパフォーマンスタイヤの場合、さらに価格差は広がるだろう。

さて、聡い読者諸君は「そんなこと知っている」と思っているかと思う。
なぜ安いかを知りたいはずだ。

ズバリ言うと大方の予想どおり、「人件費の安価な国で製造されたタイヤは売値も安い」である。
グーグル先生によると、日本の平均年収は414万円、中国の平均年収191万円で、約半分である。

また、この理由の裏付けとして、タイヤの製造方法についても言及しなければならない。
高度に機械化の進んだ現代においても、タイヤ業界は手作業がまだまだ多い。
そのため、人件費の変動が、商品の売値にダイレクトに反映されてくるのだ。

株式会社バッドイヤー(仮)のホームページを参考に、タイヤの製造工程を紹介する。

↓引用元

タイヤ製造の流れ

①混錬

②パーツ作成

③成形④加硫

⑤検査⑥出荷

如何だろうか?
わたくしも無知なときは、「タイヤって原料を混ぜて、釜入で焼いて、ポンって感じでドンドン作ってるんじゃね!?」と思っていた。
しかし、タイヤ1本の中に、数十種類のゴム・ワイヤー・布など、実に様々な材料の複合体であり、その作り方は複雑である。

複雑であるがゆえに、まだまだ多くの作業者に頼らざるを得ない生産体制になている。
1つの工場で数百人・数千人が携わっていると言われている。

もう少し詳しくタイヤの作り方を知りたい方は以下の動画を参照されたい。
西洋タイヤ(仮名)が実にナイスな動画を公開している。
わかりやすいので、おすすめである。

こんなに工場内の様子を公開してもいいの?
技術的なトップシークレットとかあるんじゃね?と思うかもしれないが、大丈夫である。
スタンダードな作り方のみ公開しているし、最新技術は絶対に公開しないものである。

ここまでの説明で、タイヤ製造がいかに多くの人員が必要かわかっただろう。
そのため、人件費の安い海外メーカーの製品は売値も安くできるのだ。

さて、もう1点皆様が疑問に思っているだろう、海外メーカーのタイヤの品質は大丈夫か?について回答する。
わたくしは、タイヤ製造について知見があるため、タイヤ製造面から品質について言及する。

結論を言うと、「少々の差やバラツキはあるが、汎用サイズのタイヤに限っては、ほとんど品質上の差はない。」である。
特殊サイズやハイパフォーマンスタイヤ・スノータイヤなどは、各社のノウハウがあるため、まだ海外メーカーとの差はあると感じている。
しかし、冒頭で示したような汎用サイズは、ほとんど変わらない(製造上の視点から)。

補足すると、多少摩耗しやすく寿命が短い、少し乗り心地が悪い、外観に傷やゴミが付着しているなどの差はあると思うが、これらはタイヤ自体のポテンシャルとは趣旨が異なる。
以下のタイヤの基本的な役割の面で差がほとんどないという認識を持っていただきたい。

タイヤの基本的な役割

1.車両の重量を支える
2.駆動力、制動力を路面に伝える
3.方向を転換・維持する。
4.路面からの衝撃をやわらげる

日本メーカーは今も世界を舞台に、タイヤ業界を牽引している存在である。
しかし、上記しているように汎用サイズに限っているが、なぜここまで差が無くなったのか?
これを説明したいが、文字数とわたくしの執筆気力が尽きたため、次回の随筆にしたためたいと思う。

この随筆では、国産メーカーと海外メーカーのタイヤの売値が、なぜこんなに差があるのか!?という疑問に対して、タイヤ製造の観点から人件費の影響が大きいことを説明した。
さらに、汎用サイズのタイヤに限っては、その差はほとんどないという衝撃発言をしてしまった。

いち個人記事であるものの、ここまで言い切った例はあまりないのではないかと思う。
しかし、製造上の視点から言えば、理屈が通るのだ。
その理屈は次回説明する。

もし次回の随筆が公開されなかった場合は、名探偵コナンのようなタイヤ業界の黒ずくめの男たちにより、わたくしは小学生になっているかもしれいので、ご了承いただきたい。
小学生から人生をやり直すのも、強くてニューゲームみたいでいいかもしれないと、ふと思った。

つづく。

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