彼の手のひらの上でもかまわない。

💆‍♂️

それだけが送られてきた。マッサージ屋さんをお呼びなようだ。

”鍵開けとくから勝手に入ってきていいよ”と事前に連絡がきていた。そっと入ると電気がついていない夕方の薄暗い部屋のベッドでうとうとしている彼。「寝そうだった…。」ともぞもぞとうつ伏せになってのおねだり顔は今日も可愛い。

「今日は背中が張ってるね。」「ほんと?最近椅子で寝ちゃったりするからかも。」朝が弱いのに時差出勤で更に早くなったのがしんどくてお昼休みに寝てしまうらしい。わからないでもない。けれどマッサージ屋さんとしてでも彼が私を求めて呼んでくれたのだから、不謹慎ながら時差出勤ありがとうだ。気持ちよさそうに少し上がった口角が愛おしい。

左腕から手までマッサージを終えると”終わりましたよ”の合図でときゅっと握る。「ありがとー。」と相変わらず眠そうな彼はその手をぐっと引いて私を横に寝かせた。きゅん。初めて会った日に腕を引かれてベッドに入ったのを少し思い出した。腕枕をしてくれて口では"おやすみ"なんて言っているけれど、もう片方の手は胸を揉んでいる。お尻には彼の大きくなったモノが当たっていて私も無視できなかった。彼とのセックスはやはり気持ちいい。

私の方が先に目が覚めた。普段朝方まで起きているからか、1時間も眠れなかった。彼が起きたのはその2時間後くらい。ふわふわしとた意識の中でいつものように頭をこちらに向けるからたくさん撫でる。スラッと背が高くて声は低い、お酒も強いし趣味も男性っぽいのになんだか所々可愛い。私はきっとそういうところが好きなのだけれど。

お腹すいたね、と出前を取った。彼は割と少食な方だけれど、もぐもぐとリスのように食べる。水分を摂るのが苦手で残ってしまった飲み物を彼は我が物顔で飲む。初めて会った時もお酒の缶を交換して飲んだし、そういうのが平気な人なのだと思う。ご飯に行っても私の飲み物を飲むし、ひと口ちょうだいもするけれど、ストローを共有するのはやっぱり少しドキドキする。ゲーム画面から目を離してわざわざこっちを向いて飲むのはずるい。

きっと彼はもう分かってやっている。それでもいいから、せめて友達でいたい。

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