初めてをひとつもらって、ひとつあげた。
お酒で釣ったら即返信がきた。
好きな人に「日本酒もらったけど飲んだりしませんか」と連絡すると、割と早めに「のむ」と返ってきた。別に連絡を無視されたりすることはないのだけれど、お酒に関する連絡は返信が早い。
彼の家にお酒を置いてお蕎麦屋さんに行った。思ったよりお洒落な空間のそのお店は彼の行きつけらしい。湯豆腐と揚げ茄子を食べながらお酒を飲んでお蕎麦で締める。初めて会った時の居酒屋で揚げ茄子が好きだと言っていたのを思い出した。彼は少食で、私はゆっくり食べると少量で満たされてしまうからいつも最後は「おなかいっぱいだね。」と笑いながらちょっと無理して食べる。彼のおすすめの日本酒は飲みやすくて美味しかった。
「俺の前ではあんまり酔っ払わなくない?」
酔っ払って頭をぶつけた話をしたらそう言われた。そりゃそうだ。そんなに飲んでないから。私は酔っ払っても行きすぎなければさほど変わるタイプではないのだけれど、自分の幅を考えずに動いてしまうらしい。自分が青あざを作ったりするだけで人に危害を加えるわけではなくても、やはり彼の前で酔っ払うのは気が引ける。可愛こぶっても恥じらいが薄くなるからほろ酔いくらいにはなっておきたいけれど。
帰っていつも通りマッサージ屋さんを稼働させる。「今日はどこを重点的にやりますかー?」「腕が疲れてまーす。」サワーと日本酒(1.5合)を飲んでほろ酔いの彼のおねだり顔は今日も可愛い。お腹いっぱいで眠そうなのに「ねてないよ?」とぼやぼやした声でしきりに言ってくるのも可愛い。
一通り終えると仰向けになって、もうちょっとやって?と言わんばかりのおねだり顔。やっちゃうよ、そんな顔されたら。首肩周りから腕をマッサージしていると彼の手は私の胸に。「あ、おっぱいだ。」と少し嬉しそうに触る彼はおっぱいが好きみたいだ。
眠気が覚めたのか邪魔だと言ってブラを外され、ふにふにと胸を揉んでは谷間に手を持っていくから思い切り挟んであげた。普段あまり笑わない彼がふふっと笑ったかと思えば「挟んで?」と私が撫でていた彼のモノをさして言う。やられたことないからやってほしい、と。「視覚的にいいだけでそんなに気持ちよくないと思うよ?」と言ったけれど、初体験と嬉しそうに部屋を暗くするから"まぁいいか"とやってみた。案の定「舐めてもらう方が気持ちいい。」と言うからそんなのたくさん舐めるに決まってる。「どういうのが好き?」「好きにされるのが好き」って。何それ。可愛い。
彼のモノは可愛くないくらい大きい。喉の奥に当たるくらい咥えても入りきらない。でも「きもちい…」と漏らす吐息が愛おしくて、少しくらい苦しくてもやってあげたくなる。
「挿れる?」
いいよと言うと付けて?とゴムを差し出してきたけれど、さすがに付けてあげたことはない。「やったことないよ。」「やってみて。」よく分からないなりに付けてみた。「できた。たぶん。」「ん、ついてる。気がする。」コンドームを付けてあげる。私の初体験。
彼が入ってくる時は大きいから少し苦しい。けれど奥まで当たるから気持ちいい。何より彼で満たされている感覚になるから好きだ。
最後は正常位でぎゅっと抱きしめてくれる。彼は私のこと好きじゃないから多分そこに意味はなくて、おっぱいの圧を感じるのが良かったりするのだろう。顔が見えないのもいいのかもしれない。それでも私は満たされるからいい。果てた後に身体をあずけてくれるのも好き。私より20cm以上大きい彼は細身とはいえ少し重いけれど、その重ささえ心地いいくらいに私は彼を感じていたいのだ。
アプリで10歳もサバ読みするおばさんと会ってないで私のこと呼べばいいんだよ。なんて、私もアプリで会ったくせに。