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ちいさな温もりで溶かされて、「知りたい」って言葉でハッとした。

昨日、新しいふたりのお友達ができた。

最初は恥ずかしそうに少し隠れていて、
けど遊んで欲しそうにじーっと私を見つめる。
私がしゃがんで目線の高さが合うと、
「な る 、こ ん に ち は  !」
って頑張って挨拶をしてくれた。
その隣のさらに小さなもう一人は
それを真似するかのように
少しヨダレを垂らしながら
元気に「な う !」って手のひらを出す。

「○○、〇〇、こんにちは!
今日はなるにたくさん遊びを教えてね!」

にこーっと満面の笑みで、
みんなでハイタッチ!

「〇〇も〇〇も、今日は朝からずっと
なるに会えるの楽しみにしてたんだよね〜?
挨拶たくさん練習してたんだよね〜?」



結婚5年目で子どもはいない。
けど私が子どもを望んでいることを
家族や友達は知っている。

夫婦ふたりだと
基本的には子どもが集まる
公園やテーマパーク、動物園や水族館などは
あまり行かないし、ショッピングセンターも
空いている夕方から夜に行くことが多い。

通っている病院も
不妊外来か婦人科なので
子どもは見かけることは滅多にない。

ママになっている友達と会う時も
大体みんな子どもたちを
家族にお願いしていたりするので
友達の子どもと会うことって意外に少ない。

甥っ子姪っ子もみんな中学生か高校生だ。

そんな状況もあってか、
ここ数年で私は気づいたら
小さな子どもと出会う機会がほぼなかった。


そんな日々を過ごしていたら
久しぶりにある友達が連絡をくれまして
その子とは以前は結構な頻度で会っていたけれど
ここ1、2年は少し疎遠気味になっていたのです。

高校で出会って、
まるで軍隊のように厳しかった部活を
一緒に3年間乗り越えた一人であるその友達は
今二児の母で専業主婦をしている。
私も今働いていないので平日の日中に
友達のお家へお邪魔することになった。

そこで会ったふたりのちいさな男の子が
新しくできた私のお友達。
大切な友達の、大切な子どもたち。

その日は4人で一緒にパン屋に行って
みんなでお家で食べた。
昔からざっくばらんで気取らず爽やかな友達は
私に積極的に子どもたちのことを頼んでくれた。
(なる、〇〇に靴履かせてくれる〜?)
(〇〇、なるにおてて繋いでもらおう!)
(なる、私お茶入れるから〇〇にパン食べさせて♩など)
無意識かもしれないけれど、
私にとっては滅多にない、
自然に子どもたちと触れ合う機会を持たせてくれた。

そのおかげで、あっという間に
子ども達は懐いてくれたのです。

小さいふたりがたくさんのミニカを持ってきて
「な る は こ れ ね !」と言い、一緒に遊ぶ。
「な る 、 こ れ な ん て よ む の ?」と言い
救急車のミニカに書いてある漢字を聞いてくる。
「〇〇、これは 東 京 消 防 庁 だね!
人がた〜くさんいる街の救急車だよ〜!」

もう一人が「な う ! な う !」と言い、
「なに〜??どうした〜??」とこちょばしたら
「キ ャ ハ 〜 !」と目を細くしてニコニコ笑う。

それから3人で一緒に
元気な声で絵本を読んだ。
両隣にはちいさくてあたたかい
温もりがピッタリとくっついていて
嬉しすぎて、幸せすぎて、
なんだかありがたすぎて
油断すると泣きそうになった。(笑)

「 な る は 〇 〇 と 〇 〇 の と も だ ち ! 」
「そうだね〜!今日でお友達になれたね〜!」

3人できゃはきゃはと
おしくらまんじゅうしているその様子を眺めて、
「う〜ん♩最高に平和!!!!」と嬉しそうに
笑ってくれる優しい表情の友達。
私とちいさな2人をすかさず
写真に収めてくれた。


小さくてぷにぷにしたおててに
柔らかくてお日様のような匂い。
じっと見つめる無垢な瞳。
愛情をたっぷり受けているのがわかる表情。

そうだ、すっかり忘れていた。
そうだ、私子どもが大好きだった。
自分でも気づかないうちに
昔から好きだった子どもという存在から
自分を遠ざけていたのかも。

ライフステージが変わっていくこの数年で
色々と考えすぎたり、
お互い気を遣いすぎたりしてたのかも知れない。

自分で自分を守っていたと思っていたけど
そのせいで心が少し寒くなっていた。


けど、
久しぶりに会う友達の
昔と変わらない安心する笑顔と、
友達が繋げてくれた、
ちいさくてかわいい新しいお友達の温もりで
すっかり私の心はぽかぽかにあったまった。


「なる、もし平日の日中空いてたら
 これからも会える時、会わん??」

「 つ ぎ 、 な る ん ち い く !」

「え!嬉しい!!おいでおいで〜!
 なるんち、近くに海あるで〜?」

「 う み っ っ !!? う み も い く ! 」

「 ぽ く も ! ぽ く も ! ! 」


次回はみんなで私の家でマックを食べて
その後海にいくことになった。

「ちょ、ママとなるは寒いから
 海はちょっとだけね!(笑)」

「ほな、近くの大きい公園も行こう!
 〇〇と〇〇が好きな公園、
 なるが探しといてあげる!」

「 「 い え 〜 〜 〜 〜 〜 い ! 」 」



その日の夜、友達から動画が送られてきた。

「 な る、 あ そ び た い よ お 〜 」

そこに映るのは
少し照れながら喋るちいさなお友達。

「バイバイした後からずっと言っとんよ♩
 カレンダーを指差して
 〝こ こ な る ん ち い く ん よ〟
 って旦那にずっと教えてる!(笑)」
そう言葉を添える友達。

ここ数年でかかっていた
私の中の靄がスーっと晴れていくと同時に
素敵な縁を巡り合わせてくれた友達に
ありがとうって思った。

その日、その友達には初めて
不妊治療をしていることを話した。
うん、うん、そうだったんね、と聞いてくれて
友達と私、それぞれ環境は違うけど
友達が私のことを知ろうとしてくれることが
嬉しくて、本当にありがたかった。


30代の友人関係。
ライフステージの違いを過剰に感じすぎて
自分に自信が持てなくなったり、
疎遠になったり、敏感になる、とは思う。
けど、そんなの関係なく、幾つになっても
私を正面から知ろうとしてくれる友達がいる。

「聞いてもいいかな…?って思ったけど、
 けど、なるのことちゃんと知りたいから。」
と言ってくれ、一生懸命話を聞いてくれる。

「欲しいのに子どもがいなくて寂しい私像」を
勝手に作っているのは、多分自分自身で、
そう思っているのは自分だけかも知れない。

お互い悩みや、価値観が
今過ごしている生活によって
違ってくるのは当たり前だけど、
それでも「相手のことを知りたい」って思って
お互いのことを肯定して、尊敬できる
友達がいる私はなんて幸せなんだろう。

それだけで十分に勇気が湧いてくる。

最大級の感謝と幸せを噛み締めながら
この気持ちを大切に残しておきたいと
思った年の瀬の出来事でした( ◠‿◠ )


最近見かけたとっても綺麗な紅葉。
見事なグラデーション!

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