Yuta Oliver Aoki
史実を基にしたフィクションの絵本のシリーズです。作:青木優太
Utaによるデザイングッズの販売
In my mind's eye, the crater of Mt. Mihara is all green with light pouring down through the clouds, reminding us that the earth is alive and breathing. Photo/Edit:Y.Aoki Music:"Self Portrait" R. Sakamoto
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私の知っている彼は、しょうもなくて取り止めもないとても愛くるしい存在だ。 ただ世間一般の大多数の人々は、彼を見た瞬間、怪訝な表情をする。 彼の頭蓋骨は、不思議な形で目の周りが出っ張っていて、出っ張りの中の奥ばった箇所に真ん丸の小さな瞳がある。 その日の私たちの任務は、高級家具の展示ブースに行って家具の配置を女たちの指示通り、寸分狂いのない形で整えることだった。 高級家具の一個一個の部品は、重く、二人掛かりでないと動かせない。 私は、その日の仕事に疲れていた。 隣で休んでいる彼
なんだかすっぽり穴の空いたスボンのポケットに手を入れてもぞもぞしていた。ヒトシは、穴から手を出したり引っ込めたりしながらポケットの中で一本の糸を中指と人指し指に絡ませながら時々緩ませたり、ぎゅっと強く引っ張ってきつく縛ったりを繰り返しながら律子の自作音楽を聴きながら、表情は、聞き入っている風を装いながら、律子の演奏が終わった頃何を話したらいいのかわからない焦る気持ちを抑えてなんてことない風を装っていた。律子は、ヒトシの一個上の同じ部活の先輩で14歳にしてとヒトシとタメのアツシ