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賛歌 ダダ漏れのDark Matter 鉛色の重力 ―—街を歩いてもアスファルトに走る無数の 亀裂から滲み出てくる闇を見つめるだけだ―— ああ この皮膚がすべて剥がされても 感じているか? 動いている 動いている 闇の中で 蠢く者がいる おう 耳孔で劣化ウラン弾が爆ぜようとも 聴こえているか? 無限に遠く 無限に近い 闇の中で 囁く者がいる 押し黙った孤独な獅子の心音を聴く どこか森閑とした場所で 赤ん坊がむずがっている 夜の
「え~~本日はぁ、天気日頃も良ろしゅう、氏神様のご祭礼により~、これより大節分豆まき大会を開催させていただきます。皆さま万障お繰り合わせのうえ、ご家族お揃いでご参加下さいませ。なお~、お子供衆には~、白玉ぜんざいと福豆菓子をご用意いたしておりますゆえ~、巫女Aのお姉さんとこでみんなでいい子して貰ってね。お父さんお母さん方におかれましてはぁ、巫女Bの売店にてぜんざい太巻きパックを販売いたしておりますゆえ~‥‥」 でっぷり太った羽織袴姿のイグアナが豆まきの口上を述べると、皆は
トレイシー、Canned Universe 今夜は Canned Universe 素敵な Canned Universe イブニングドレスを Canned Universe 召して Canned Universe らっしゃるのね Canned Universe ヌメロ・ヴェントゥーノかしら Canned Universe サテンなのね Canned Universe とっても Canned Universe お似合いよ Canned Universe でもあなた Canne
緑青色に腐食した月面の、クレーターの影に突き刺した太鼓ばち指を引き抜くと、穴から狒狒の呪術師達が踊り出て来た。俺は奴らの力を利用して、光速で飛ぶ闇夜と皮膚の間の一瞬の空隙に飛び移らねばならない。虚空に聳え立つ岩山の頂で焚かれた狼煙火が、ディストーションの効いた重低音を響かせて燃え盛っている。野卑た歌声とバカッぽい踊り。星を銛で突いて食う奴らの心拍はトチ狂ってREDを示したままだ。ウザウザと気流は蠢き、帯電した下半身が捻転を繰り返す。その勢いを駆って俺は媚薬急行に飛び乗った。
私のお腹が出てきたのはいつの頃からだったろうか。いやね、そうたいして出てはいないんですよ。家族が言うほどには出ていないと私は思う。でも、痩せていた昔と較べると、明らかにポコッと膨れてきているから、お腹の中に誰かいるのは間違いない。しょっちゅう喋り声が聴こえてくるけど、おヘソに耳を当ててよく聴いてみようにも、上体を目いっぱい前屈して顔を左右どちらかに向け、耳をおヘソに当てるなんて、サーカスの軟体芸人じゃあるまいし、私にできるわけがない。さてどうしたものかと思案していると、何処か