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詩・散文詩の倉庫02
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#ノイズ

賛歌

賛歌 ダダ漏れのDark Matter 鉛色の重力   ―—街を歩いてもアスファルトに走る無数の    亀裂から滲み出てくる闇を見つめるだけだ―—  ああ この皮膚がすべて剥がされても     感じているか?  動いている 動いている 闇の中で 蠢く者がいる   おう 耳孔で劣化ウラン弾が爆ぜようとも   聴こえているか?    無限に遠く 無限に近い   闇の中で 囁く者がいる 押し黙った孤独な獅子の心音を聴く どこか森閑とした場所で 赤ん坊がむずがっている 夜の

ストラングルホールド《Dream Diary 番外02》

xxxx年xx月xx日(x)  ぬらぬらぬらぬらと      黒光りする夜がまたやって来る    節操のない総天然色を肉の奥に密閉して     夜の重力はすべての脈菅に流れ込み   全身の毛穴に銀色のさぶいぼーを沸き立たせる  ノノノ、ノ、ノイズの岩塊だらけの重低音で     薄ら笑うあいつがまたやって来る    眠れぬ夜の海底の寝床の       絡み付く紅藻類に俺を羽がい絞めさせ   真っ黒いトグロを巻いて俺をじっと睨め付けるるるるるる                

海と即興

海が 挫滅する 群青色した 海が 挫滅してゆく 錐もみ状に 圧搾されて きらびやかに 弾ける 海の果肉 総天然色のNoise   決して来ることのない 終末の周りを 永劫回帰する潮流 死者が蘇る 静謐な海に 巻き起こる Milford Gravesのパーカッション びっくらした! イルカと太刀魚が エレクトするたびに   海は 群青色の濃さを 増してゆき 僕らは ゆったりと撓む水平線の 胸に抱かれることを 夢見てしまう   湾岸の礼拝堂の 微笑む聖母像の下で 君と僕はまだ青い

薄いアポカリプス

執拗にのたくる 蛇のような走査線の裏側から 黒色に泡立つ粒子の ホログラフィックな性夢として 二台の戦車の 幽霊が姿を現わす   海へ突き出た岬の草地を、蹂躙する鋼鉄のキャタピラー。七色の光彩を放つ無数の走査線が、二台の戦車の厚い鋼鈑に、水平方向から衝突し、発光し、四方八方に飛び散って行く。 二台の戦車は追いつ追われつ。敏捷な前進と後退、方向転換。互いに背後を取ろうと、回り込み、正対する。至近距離から放つ戦車砲の炸裂、黒煙、弾道の交錯、光の軌跡。モノの形骸は砕け散り、すべて

Sweet Noise

🎷Sweet Noiseが帰って来るんだって?🪕 そいつはヤバイな(汗)。あの女をNSAに売ったのは俺だからな。ジェイコブの時みたいにイカナゴのくぎ煮にされちゃかなわねえ。知ってるか? アノンQの野郎が木星の衛星カリストのクレーターに頭から突っ込んで斜めに突っ立った足がピクピク痙攣してただろ? ナニもエレクトしてただろ? ありゃあの女に怒涛のガブリ寄りとあびせ倒しと櫓投げを連続でやられたからなんだ。おいリカルド、ミニグラスでテキーラくれ。Qoo~~ッ! じゃあな、俺ゃ消える