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2023年11月の記事一覧

鍋料理はほどほどにしてくれ 2

純白のかっぽう着を 砂漠の夕陽がピンク色に染めて ぎんぎんぎらぎらを歌いながら 元気いっぱいにお遊戯する ハローキティちゃん 万歳して手のひらヒラヒラ 体はくるくる回転すれば 空から千のちゃんこ鍋が 黄金色の流星群となって しだれ花火の如く墜ちて来る   ナスカの地上絵的スケールの キティちゃん模様を砂漠に描いたら きみはちゃんこ鍋をてきぱき配膳して 私を菜ばしで手招きする ハローキティちゃんも ぎんぎんぎらぎらが佳境に入ると うおおりゃどおすこいっ! と 夕陽に向かって可愛

鍋料理はほどほどにしてくれ 1

紫黒色の真夜中に 流星よりも高速で スピンしつつ飛来する ハローキティちゃん紋様の土鍋 キッチンに降臨する 鍋料理の具材の堆積と その後の亡霊化は 発光するこんぶダシにより 贋の皆既月蝕に憑依する などとワケの分かり過ぎない ラヴポエムをほざきながら 鼻歌まじりの笑みを浮かべて 君は片手に菜ばしを構え ぐつぐつと煮えたぎる 土鍋の蓋をOPENすれば たとえば寄せ鍋や 牡蠣の土手鍋を あるいはアンコウ鍋や ハタハタしょっつる鍋を はたまたキムチ鍋や ぼたん鍋のたぐいを かなりイ

晩秋

南へ向かう鳥達が うす色の空へ溶けて行く   きみは衣装棚から 厚い上着を出してきて 胸元を飾る小さな憧れを そっと隠した 子犬が地層の匂いを嗅いでいる 鳥の化石に恋をしたんだ