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Prominence

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詩・散文詩の倉庫02
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2022年4月の記事一覧

賛歌

賛歌 ダダ漏れのDark Matter 鉛色の重力   ―—街を歩いてもアスファルトに走る無数の    亀裂から滲み出てくる闇を見つめるだけだ―—  ああ この皮膚がすべて剥がされても     感じているか?  動いている 動いている 闇の中で 蠢く者がいる   おう 耳孔で劣化ウラン弾が爆ぜようとも   聴こえているか?    無限に遠く 無限に近い   闇の中で 囁く者がいる 押し黙った孤独な獅子の心音を聴く どこか森閑とした場所で 赤ん坊がむずがっている 夜の

プロミネンス

いつも既に記憶だった夏の日に 俺は裸体を晒した少年少女達と 沖合を鳥が群がる海を見たかったが だれひとり気付かぬうちに 海原を舐めて広がる火の言葉に焼かれた 熱気だけが渦巻く無音の嵐に 真夜中の街路樹の果実は金色に弾け 白昼の都市はあらゆる場所で錯乱した 見ろよ水平線を 待ち焦れた空を 天空の片隅に鳥達を追いやって 西から東へ視野いっぱいに 燃え上がる紅炎のアーチ 星々が何億年も語り継いできた 青白い水母のような蜃気楼を 無数の真っ赤な蛇の舌で メラメラと焼き尽くすプロミネン