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日々に遅れて

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詩・散文詩の倉庫03
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2023年1月の記事一覧

海鵜

港を望む小さな緑地 棕櫚の並木の間の ベンチに座って煙草を一服   突然 すぐ目の前の海上に 黒っぽい鳥が降りて来て 沖に向かってスイーと泳いで行くと   ジャボン!  海中に潜ってしまった   あれは海鵜だ 魚を咥えて浮上して来るかな? 白い鳥が視界を二度横切る間に 対岸の桟橋にフェリーが着いた  左手の岸壁に繋がれた小型船の手摺から 灰色の鳥が飛び立った   しばらく海面を眺めていたけれど 海鵜は上がって来ない 何処へ行ってしまったのか 諦めて近くのレストランに入った