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臥龍橋の手摺りにもたれて 潮の引いた西野川を眺めていた 背後は車が行き交う国道二号線 露出した川床の泥土が黒く光っている 橋の名前からは 龍が臥している姿を想像する でも 龍に見立てたにしては この橋は小さいし短過ぎる 龍は何処かこの近くで のんびり寝ているのかも知れない なんてことを想いながら 川の中央に目をやる 痩せ細った河水の流れを縦に二分して 川床に石積み造りの導流提が横たわり ゆったりとカーブを描きながら ずっと向こうの河口まで伸びて行く その細長い