理由 ――画像しりとりはじめました(#182)
(#181) 居残り→「り」→理由
金と銀の器を抱いて
罪と罰の酒を満たし
街を走ったのが気に食わなかったらしい
もういいから、今夜は眠れよ……💤
まずはオープニングアクト☆
近藤真彦で『愚か者』
1987年にリリースされたマッチの22thシングルで、この年の日本レコード大賞で大賞をとった曲ですな♪( ̄∀ ̄)♪
ちょうど35年前――ちょうど?(・_・)?――の明日、マッチがこの曲でレコード大賞に輝き、涙を浮かべながら歌っておったわけです。
一方、同じくらい前の今頃、私はというと、割かし切羽詰まった状態にあった。今宵は、そんな愚か者の話。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
手元にあるペラペラの紙に書かれた芳しくない点数と、同様に芳しくない合格判定評価「D」を確認すると、そそくさと鞄にしまい込んだ。
まあ、自覚はあったから今さら驚くようなことではない。そして、この時期においては、今さら慌ててもどうにもならない。
本番はもう目の前なのだから。
大学に行って勉強したい。
唐突にそう思い立ったのは1年ほど前の高2の冬のことだった (*1)。
もちろん、行きたいと言えば行けるような軽い場所ではない。ましてや、この年の4月に親元から独立したばかりのビンボーな自分にとっては、私立大学は経済的に無理ゲーなのだから、行ける大学は消去法で国立大学一択だ。どう考えても難関でしかない。
とりあえず現状把握せねば、と思い生まれて初めて受けた年明けの模擬試験の判定は
合格判定E 志望校変更の余地あり
(・_・)💦
……ま、そんなもんやろな。
結果的に見れば、英語・国語の成績は悪くなかった。
実際、第二志望に書いた大学は「合格判定A」が出ている。
――もっとも、その合格判定が出た大学は「F女子短期大学」(*2)なので、行きたいと思ってもそもそも行ける場所ではなかったのだが。
とりあえず、このままではどうにもならないことは把握できたので、あとは対策だ。まずは定石として高校の進路指導室の門を叩いた。
――が、進路指導の担当教諭の口から衝撃の事実を知る。
「うーん。ウチの学校、国公立の現役合格者は10年以上出てないから、実はデータも何もなくてね。……ちょっと時間もらえるだろうか」
(・_・)
……まぢですか。
「ぶっちゃけ、力になれることは何もないかなぁ」
――などと即答しなかっただけ、まだ良心的といえるのかもしれない。
が、その体たらくでは、彼が言うてるその時間とやらを与えてるうちに本番の試験が終わってる、なんてことにもなりかねないのもまた事実。
こいつぁアテにはでけへんなぁ……。
次回の模試へのエントリーだけしてもらい、進路指導室を後にした。
自力でやるしかないか。
まあ、最終的に試験を受けるのは自分なのだから、それはそれで腹をくくればよいだけのことだ。
生まれて初めて受けた模擬試験を経て改めて分かったことがある。
それは――
ワシ、理数系、特に数学とか、壊滅的にアカンやん( ̄∀ ̄)💦
そうなのだ。
数学でマトモに解答できたのは、数学Ⅰの最初の方だけで、後は、ほぼほぼ玉砕の形だ。
これを何とかしないことには話にならない。
翌日から理数系、特に数学に対する対策をスタートさせた。
とりあえず、一週間、過去問を解きまくる。なにせ、こちとら時間がない。高校入学当初から大学進学を見据えて計画的に勉強している他の受験生に比べると、その差は歴然だ。
昨日まで、進学のことなど何ひとつ考えてなかったアホの子が、『瀬戸内少年野球団』の夏目雅子みたいに
「私、大学を受けましょう」などと唐突に言うてるようなものだ。
こうして一週間、過去問と向き合って分かったことは、数学Ⅰの守備範囲である1️⃣~3️⃣は、やればなんとかなりそうだ、ということ。
問題は、数学Ⅱの守備範囲である微分積分、代数幾何、確率統計の3分野から2つを選択する4️⃣~6️⃣。
微分積分は壊滅的にアウト❌、
代数幾何はギリなんとかできそうな雰囲気だけはある。
となると、本番までの残り時間を考えたら、むしろ微分積分は捨てて、確率統計に賭けた方がいいかもしれん♪
と、そこでまたまた問題が発生する。
なんと、ウチの高校ではそもそも確率統計は数学の授業では扱わないのだ。
――そら、国公立大学に現役合格者が10年以上出ていないというのもなんか頷けるわw
……ここも自力かぁ……( ̄~ ̄)💦
せめて教科書だけでも手に入れられたら、自力でもなんとかしようがあるというものなのだが。
そこで、自分にとっては思わぬラッキー✨があったことを思い出した。
小学校の頃、近所に住んでいた同級生のスネオくん (仮名) の存在だ。
ちなみに、彼の人となりその他人物像についてはコチラより👇
幼い頃はとにかく臆病で人の意見に左右されるだけ、という印象だった彼は、現在、札幌の進学校に通っている優等生である。その上、理系ときている。
早速、スネ夫くんに連絡をとって事情を説明すると、彼はケラケラと笑いながら、
だからあんなレベルの低い高校行くなって言ったじゃんw
いいよ、確率統計はもう授業終わったし、共通一次はオレ確率とらないから
そう言ってお古の教科書に参考書までセットで貸してくれた(*´∇`*)♪。
おおきに、スネオくん♪ 恩に着るよ☆
――よし。戦闘態勢は整った。あとは、やるのみだ。
そうして約1年、遅まきながらの受験勉強生活の結果、12月に受けた共通一次 (現:大学入学共通テスト) 前の最後の模試の結果が、
「合格判定評価D」
――なのだ。やはり現実は厳しい。
結局、数学の模試成績は、調子がいい時でも200点満点中100点をちょい超えるか超えないかという、スポーツの苦手な人が残しがちなボウリングのスコアみたいな点数が精一杯だった。
ま、やれるだけやった結果がこれなら、是非もなし。
私は、半ば開き直りにも似た感情を抱いたまま、本番を迎えることとなった。
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そうして迎えた共通一次試験当日。
課題の数学でちょっとした奇跡が起こる。
せめて基礎的な部分だけは絶対落とさないぞ、と決めていた数学Ⅰの1️⃣と2️⃣、さらにいえば懸念された数学Ⅱの分野も、予定通りに代数幾何、確率統計を選択し、いずれも理解の範囲内の問題だった。ぶっちゃけ、これまで受けたどの模試よりも手応えがある。
ただ、数学Ⅰの3️⃣だけがどうにもお手上げだった。設問から原始的に図に書き起こして、解答のキーとなる角度が90°以上180°未満なのはなんとなく分かるのだが、それ以上はどうにも……だった。
――だったら、とりあえずなんか入れてみっか(笑)。
で、なんとなくありそうな角度――120°、135°、150°あたりを視野に入れ、まずは手始めに♪……の120°で計算すると、正解かどうかは全くわからないが、とりあえず解答欄のマス目はキレイに埋まった (*3)。
書かないよりはマシだよなーww……これでいいや^m^
そして、その書かないよりはマシだよなー……がハマってしまい、その設問は全問正解となった。ここでの40点はデカい。
自己採点は184点。
苦手な数学をカヴァーしなければ、と張り切った英語の164点を越えてしまう、という意味不なミラクルが起きてしまったのだ。
自己採点の結果だけ担任に報告すると、50代後半の白髪まじりのオールバックは、あからさまに、てめえやったな的な猜疑心に満ちた視線を私に向けてきた。
いやいや、アタシゃ、なんにもやっとりゃせん✋💦
……まあ、それまで模擬試験で100点前後しかとれていなかったボンクラがいきなり184点なんてことになれば、何か良からぬことでもしでかしたに違いない、そう思われても致し方ないところではある。
いずれにせよ、最大の懸案事項だった共通一次試験という関門を突破できたのは重畳というもの。あとはこっちのモンだ。
二次試験は、得意の英語と国語のみ。
ただ、「こっちのモンだ」と断言するには障害が何もない……というわけでもない。それは――
英語100分 国語150分
という試験時間。
いやいやいや✋ 長げーよ💦(・_・)
人間、授業や何かで集中できるのはせいぜい1時間以内と聞いたことがある。体感的にも、まあそんなところだろう。
なのに100分て(笑)。
いやいや150分て^m^
黙って映画観てるレベルでも、興味のうっすいジャンルなら途中で寝てまう時間やないか。
主要大学の二次試験については、通称「赤本」と呼ばれる過去問題集があるので、まずはそれを試しに解いてみる――
ムリだ!(゚д゚)!
予想どおり、とてもじゃないが集中力が続かない。
好きな英語の100分は、ギリなんとかならないこともない。が、国語の150分はさすがに長すぎる。どんなに集中しても、途中で問題文を読むのもシンドくなる。ていうか、もう途中で眠くなってしまうのだ(^^ゞ💦
眠くなる――
そうか💡👀✨ピカリーン💡
どんなに頑張っても眠くなるなら、
最初から寝てしまえばいいではないか♪( ̄∀ ̄)♪←本格派のアホの子の発想
こうして、アホの子丸出しの秘策をひらめいてからの約2週間、国語の試験対策は
150分の試験途中で15分眠る
という訓練に費やすことにした。
前半約1時間、試験に集中して解答。
ハーフタイムに休憩睡眠を15分。
後半約1時間、試験に集中して解答。
この赤本舞台稽古をひたすら繰り返した。
もちろん、一番の懸念は
寝過ごすこと
である。万が一にもハーフタイムが夢うつつのままフルタイムにでもなった日には、大学進学という夢もまた、身の程知らずのただの夢で終わってしまう。
が、そこはとにかく慣れていくしかない。
切羽詰まった人間の集中力というのはバカにならないもので、この舞台稽古を毎日続けたところ、特に実際に試験が行われる時間帯に合わせた時なぞは、ほぼ完ぺきに15分の仮眠をとることができるようになった。
副産物というべきか、仮眠後の頭の集中力が試験開始時よりもクリアになることで、漫然と150分を苦痛の中で格闘していた時よりも成績が上がっているのも明らかだった。
なんだかこれ、イケそうな気がするぅ~~(゜o゜)←天津木村か
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二次試験当日。
英語の試験の手ごたえはまずまず。
そして、問題の国語。
独特の緊張感の中、試験は進む。
ここまでの約1か月毎日繰り返してきたルーティンとはよくしたもので、試験開始後約1時間で、自然と睡魔がうっすらと襲ってきた。
よし――
机に突っ伏して、作戦通りハーフタイム休憩に入る。
――み。きみ、大丈夫か?
想定外の事態が発生した。
仮眠に入って5分もしないうちに、試験監督官に起こされてしまったのだ。
確かに、試験監督官にしてみれば、まさか大事な二次試験の最中に寝る受験生など、しかもそれが予定通りの仮眠だなどとはフツー考えない。普通に考えるのは、試験途中で緊張のあまり体調が悪くなったのでは、という心配だ。
あ、すみません。大丈夫です。
さすがに、邪魔すんなや! などと失礼なことは言えないので、心持ち具合悪るっ、というニュアンスを見せつつ、大丈夫アピール。
……これは、次やったら強制的に試験から排除されかねん(^^ゞ
こうして、2週間、練りに練ったアホの子の「仮眠作戦」は中途半端なものに終わってしまった。が、結果的には5分程度の仮眠でもそこそこリフレッシュはできたようで、「後半戦」の集中力もまずまずキープできた。――と思う。……良くワカランけど(・_・)
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約1か月後、私は、志望大学合格を報告するために母校の職員室にいた。
担任が笑顔で迎えてくれたのはまあ想定内だったが、想定外だったのは、普段話したこともないような、てか、正直アンタ誰やねん?て先生たちまでもが、なんや知らんが拍手してくれたり、握手してくれたり、落首……はしてくれないけどラジバンダリ。
いずれにしても対応があまりに大げさすぎる( ゚Д゚)
ああ、そうか――。
何をどうしたのか、感涙にむせびながら今にもハグしてこようとする進路指導の先生を見て思い出した。
この学校では、現役の国立大学合格者は十数年ぶりなのだ。
確かにそりゃ、ある種の凱旋かもなぁ……(・_・)。
ただ、感涙に顔をくしゃくしゃにしながら
「私も鼻が高いよっ!」
とか言うてる進路指導の先生、それはちょっとだけ違うかな( ̄∀ ̄)
(おまへさん、何もしとらんやんけ^m^)
……ま、いいけど。
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おっと、今宵ももうこんな時間だ。今日は本格的にギリギリだ💦
今日の〆の一曲は、おあずけということで( ̄∀ ̄)
(オープニングアクトでマッチの『愚か者』がかかってるから、いいよねw)
そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が、少しでもより良い年の瀬を迎えられますよう✨
■ おまけ
今回の画像しりとり列車 (182両目) の前の車両です。タイトル「居残り」と下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。