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初心者                  ――画像しりとりはじめました(#166)

(#165) 遺書→「しょ」→初心者

初めての高速道路にドキドキ💓

まずは基本のプルークボーゲンで
スピード感に慣れるトコから



スキーの初心者がまずはじめに習得すべき基礎となる技、それがプルークボーゲン。

スキー板の先端を合わせ後端は広げ、ハの字型を作ってブレーキをかけつつターンする技。
その先に習得すべきステムターン、パラレルターンへとステップアップするのにも重要な基礎中の基礎、それが、このプルークボーゲンだ♪( ̄∀ ̄)♪

プルークボーゲンなう

……なお、高速道路では、プルークボーゲンでブレーキをかけるのはいいとして、むやみにターンを繰り返すのは、後続車の迷惑になるので巌に慎みませう( ̄∀ ̄)♪

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

何事も、初めてということはある。
良い初めてはまあそれとして
悪い初めては、それを繰り返さぬようその初めてを反省材料に使うのが良い。使えると良い。

――松平雅楽守

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ワリと唐突に、引っ越すことになった。
引っ越し自体は、数年ごとに転勤を繰り返す職種が長かったおかげで慣れっこだし、荷物の多さは尋常ではないものの、なんだかんだで単身なので気楽でもある。
ただ、定期的な異動に伴う引っ越しはたいてい四月に行われるので、今回のような3月というのは初めてだ。

そんなちょっとイレギュラーな時期の引っ越し、理由はいくつかある。

一番大きな理由は、退職したこと。
形の上では自己都合による退職だが、まあ事実上は人生二度目の詰め腹を切らされた形だ。覚悟の上でやったことだから後悔はしてないし、幸いにして次の職の当てもある。

二番目の理由は家庭環境。
私には少し年が離れた妹と父がいて、札幌の隣町で暮らしている。
母が亡くなって数年になるが、同居している父の面倒は妹が全面的に見ていてくれている。
そんな妹が、定期的に行っているフタカラで、最近、どうもいい人ができたっぽい話を匂わせ始めていた。

本人的にもゆくゆくは結婚も視野に入れている、そんなニュアンスの話もチラホラ出始めてはいたが、その一方で父を一人にしておくのはやっぱ心配だからねぇ、そう言って二の足を踏んでいる部分も大きいよう。

幸運なことに、私の次の職場は、この実家から通うには楽勝の距離だった。
つまり、これからは自分が今まで妹がしてくれていたことを引き継げばいいということだ。

こうして、17歳で離れた実家への、実に30数年ぶりの帰還が決定したのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

引っ越し業者が無事に現地を出発したのを見送り、私も隣近所への簡単な挨拶とお礼をひと通り済ませてから、後を追うことにした。
私より先に引っ越し業者が実家に着いたとしても、父と妹がいるから対応はできるのだが、そりゃあ本人がいるに越したことはない。

まあ、実家までの距離は優に300km以上あるので、引っ越し荷物を大量に積んで安全運転でゆっくり進むトラックに一時間やそこら先行されたところで問題はない。途中でしこたま居眠りでもしない限り、このレース、うさぎの逆転勝ちは既定路線というものだ。

平日の午前中にも関わらず手伝いに来てくれた「元」職場の同僚にちょっとしたお礼と昼食ランチをご馳走し、大体の予定通り、引っ越し業者約一時間先行という形で、私も現地を出発して実家へ向かって車を走らせた。

北の大地の東の果てをスタートして約1時間、天気は曇天、太陽光に弱い自分的には最高のドライビング日和の中、実家へむけての凱旋運転ドライブは、極めて順調だった。

あまり模範的な人間というカテゴリーには属さない私が、意外にも長く地方公務員という立場にいたことで自然と身についたことがある。
それが時速79km/h走行だ。

とりわけ北海道北部の交通機関の便が良くない地域で勤務していた時は、出張や研修事業等での移動は、基本的に自家用車を使う。
しかし、建前上は交通機関を使うことで旅行命令が出ているため、交通事故を起こさないのはもちろんのこと、スピード違反も厳禁、さらに言えば30km/h超のスピード違反は官報に名前と所属が載ってしまうため、厳禁中の厳禁、死んでも絶対にするな、とそれはそれはキツく言い渡されていた。
そのため、制限速度50km/hの道でのギリ79km/hをアッパーにして走り、いつでもスピードを緩められる、そんな走り方が自然と身についていたのだ。

まあ、実際問題として、取り締まる警察の方でも5km/hや10km/h程度のスピードオーバーでいちいち捕まえていては、極端な話、走ってる車全部捕まえないといけないことにもなりかねない。
だから、車の流れに沿ったスピードで走っている分には70km/h台で捕まることなんて一度もなかった。
そんなものだ。

不意に、対向車がすれ違いざまにパッシングしてきた。
トンネルから出た時にライトを消し忘れたかと思いチェックしたが、そうではなかったようで、あれ?なんだったのかなー……そう思いながら走り続けていたその時――

けたたましいサイレンの音と、それに続くマイクの音声、

「前を行くグレーの車、止まりなさい」

ん?ワシ?(・_・)?
反射的にメーターに目を遣った。67km/h。
とりあえず、極端なスピード違反ということではなさそうだし、もしかしたら自分のことではないのかもしれない。そうも思ったが、そもそも私の前方には車は走っていないのだから、バックミラーに映るパトカーの目的は私のグレーのカローラフィールダーで間違いなさそうだ。

ゆっくりと左の路肩に車を停めると、パトカーもその後ろにつけて停車し、制服のおまわりさんがバックミラーごしに近づいてくるのが見えた。

「運転免許証見せてください」

パスケースから取り出した免許証を見せる。

「はい。じゃあ、後ろの車に移動してください」

もしかしたら全然別の用件、例えばこの付近で殺人事件か銀行強盗でも起きて、その容疑者が逃走した車がたまたまグレーのカローラフィールダーだった……なんて妄想的な展開に一縷の望みを託していたが、この流れは、どうみてもアレだ。

パトカーの後部座席に座り、一応、パトカーの現認速度を確認させられ、クリップボードに挟められた書類に目を通し、
……ホンマにスピード違反なんや……(・_・)
呆然自失の体で言われるがままに書類に拇印で捺印させられた。

普通運転免許証を取得して20年ちょい、生まれて初めて切られた違反切符は

「速度超過17km/h」

自分でも何と表現していいか分からないようなビミョーな表情で違反切符を見つめている私に、隣に座した気の好さそうなおまわりさんが落ち込む肩をポンと軽く叩き、

「まあ、キミ、ゴールド (免許) だし、3か月おとなしくしてたら、この点数も消えるから、大丈夫、大丈夫」

あまり意味のない気休め (*1) ではあるが、一応その気遣いだけありがたく頂戴し、

「どこまで行くの?へえ、遠いねえ。引っ越し?そりゃタイヘンだ。うん。
 それじゃあ、まあ、これからも安全運転で、よろしくお願いしますよ」

なんや知らんが陽気な声でそう送り出された。

*1:あまり意味のない気休め:確かに、以降3か月無事故・無違反なら、違反点数はチャラになるが、この1点を失った時点で、次回の免許更新ではゴールド免許はく奪決定である。ただし、この時のおまわりさんには、3か月無事故・無違反でいたらゴールドはキープできる、そう言われていて、私もそう信じていた。

自分の中では、スピード違反で違反キップ切られたことも癪だったが、それ以前にせっかく対向車がパッシングで
「なんか取締りしてんのおるで。気ぃつけや」と警告してくれていたことに気づけなかったことが何より悔しかった。

……でも、17km/hオーバーだもんなぁ……(・_・)

仮にパッシングの善意に気づけていたとしても、検挙されたこのスピード以下で走れていたかどうかは疑問だ。
この界隈は、赴任以来4、5年間、最低でも月イチペースでへたすりゃもう百回以上は走っているが、こんなスピードで捕まるなんてことは一度もなかったのだから。

自分の中では完全に安全圏内なスピードでの検挙に若干モヤモヤしたものを抱えつつ、それでも2時間も走っていれば気分も幾分かはほぐれてくる。
車内は相変わらず移動する一人カラオケボックス状態だし、不測の事態でよりいっそうヤケクソ気味に声張りあげてたこともある。

まあ、一生に一度くらいスビート違反でとっつかまるのもいい経験ってもんかもなぁ。
実家まであと少し、時間にして小一時間も走れば着くだろうという頃には、メンタル的にもだいぶ立ち直れてきていた。

そんな時。
けたたましいサイレンの音が響き、次いでマイクの音声が――

「前を行くグレーの車、止まりなさい」

……まぢですか……(・_・)💦

十分後、私は、パトカーの後部座席で右手親指についた黒の朱肉を、隣のおまわりさんがくれたティッシュで拭きとっていた。

「まあ、キミ、ゴールドだし、3か月おとなしくしてたら、この点数も消えるから、大丈夫、大丈夫」

それ、さっき聞いたわ……とはさすがに言えなかったし、
いやあ、実はボク、もうゴールドぢゃないんですよねぇ♪(≧▽≦)♪
なんて陽気な皮肉をぶちかます余裕も一切なかった。

ただただ沈痛な面持ちで愛車の元へと戻っていくのみだ。背後から、

「それじゃあ、安全運転でお願いしますね」

などという、これもちょっと前に聞いたよなぁ……て明るい言葉を受けても

「うっせぇわ」

10年後に一大ブームを起こすフレーズを、それと知らず心の中で吐き捨てるだけだった。

「速度超過15km/h」

一生に一度くらいは、と言っていた経験は、何の因果か一日で二度も経験する形になってしまった( 一一)

今なら宝くじでどエラい高額賞金つかめるかもなぁ……

頭の隅っこの隅っこくらいで、そんな気持ちもチラッとよぎったが、結局なにも買わなかった。

もし買っていたら、この時の反則金くらいは稼げただろうか。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

今日の〆の一曲は、C-C-Bで『Lucky Chanceをもう一度

曲が筒美京平、詞が松本隆という黄金タッグ(o^-')b♪

🎵 ついてないどうすりゃいいのさLady
🎵 幸運を祈るよ最後のLucky

やはり買うべきだったか、宝くじ(・_・)

なお、後に知ったことだが、この日3月1日は、交通事故撲滅キャンペーンだかなんだかの初日で、北海道中の都市間道路という都市間道路は、血に飢えた野暮なPolicemanが、
🎵 君たちNo No No 暴・走・禁・止🎵――と網を張っていたらしい。

……知らんがな、そんなの(・_・)

おっと、今宵ももうこんな時間だ。今日もギリギリ☆(^^ゞ💦

そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が
あらゆる面でスピードもほどほどに、心も身体も余裕を持った一日を過ごせますよう🌈



■ おまけ

今回の画像しりとり列車 (166両目) の前の車両です。タイトル「遺書」と下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。


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松平雅楽守
こんなダラダラと長ったらしい記事に最後まで目を通していただき、その忍耐強さと博愛の御心にひたすら感謝☆です ありがとうございます ご覧いただけただけで幸甚この上なっしんぐなので サポートは、私なんかではなくぜひぜひ他の優れたnoteクリエイターさんへプリーズ\(^o^)/♪

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