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ろうそく ――画像しりとりはじめました(#197)
(#196) おれにはな夢があるんだケンシロウ →「ろう」→ろうそく
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「バースデーケーキのろうそくって
儚いですよね……」
???
「だって、そうじゃないですか
彼らは、つけられたかと思ったらすぐに消され
ろうそくとしてのその本分を全うすることなく
後は捨てられるだけ
実に悲しい存在です」
……(・_・)💧……トラ子……
そっか、確かにそうかもな……わかった。じゃあ下げるよ
「食べます」
(いや、食べるんかい)
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まあ、彼女にしてみれば、本当に言いたかったのはろうそくがどうしたこうしたではなかったのかもしれない。どうせ誕生日を祝ってご馳走してくれるのなら、ケーキなんかより魚か肉、なんだったらチュ~ルをよこせ、そんなところだろうか^m^
とはいえ、バースデーケーキのろうそくについては、トラ子の言わんとするところも分かる。結局、こういうことだ。👇
言うまでもなく、ろうそくの本分というのは「その身を削って束の間の灯りを供給すること」である。であるにも関わらず、バースデーケーキに使用されるろうそくには、その本懐を遂げることは一切許されない。
手拍子とともにハッピーバースデーが歌われ、ひと息に、あるいはふた息に吹き消される彼らが灯りをともしていられるのは長くてもせいぜい十分というところ。それでお役御免だ。あとはケーキから抜き取られてそのままゴミ箱行き。
これがバースデーケーキに供されたろうそくの生涯である。
せつなすぎやしまへんか?(・_・)
そう考えたら、
そもそも、バースデーケーキにろうそくなんて、どこのどいつが決めたんじゃいっ!八つ当たりにも似た義憤が頭の中に湧き上がってきた。
――ということで、その起源を探ってみることにしたわけである。
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ざっと調べてみたところ、諸説あるが、有力なものの一つとして、バースデーケーキにろうそくという風習の起源は15世紀のドイツのようだ。
どこのどいつかと思いきや、どこかのドイツとはこれまたシャレがきいているようで( ̄∀ ̄)♪←きいとらん、きいとらん
起源となっているイベントは「キンダーフェスト」という子どものお誕生日会である。ただ、このキンダーフェスト、現代日本でいうところのウキウキお誕生日会とは若干テイストを異にするところがある。
かつて西洋では、子どもの誕生日には悪霊がとり憑きやすいと信じられていたらしい。
で、その対抗手段としてバースデーの子どもを守るため、隣近所から多くの人々を集めケーキを作って神に祈りを捧げ、その願いが届くようにとケーキの上にろうそくを立てて一日中灯していたのだ。
そして、首尾よくバースデーを無事にやり過ごせたなら、集まってくれた皆でケーキを切り分けて食べる――これがキンダーフェスト。
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お気づきだろうか。
(どしたどした)
このキンダーフェストでは、ケーキに立てられたろうそくは一日中その灯りをともし続けている。子どもの無事という切なる祈りを煙とともに天空の神に届けんがために、ろうそくはその身を溶かし続けているのだ。
ろうそくとしての尊厳は、まだ健在と言えるだろう。
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その後、ドイツのキンダーフェストの風習は、年代を経るとともにその様相を変えていく。
18世紀になると、バースデーケーキとろうそくは、単なるといってはナニだが、単なる祝い事の象徴と化した。
その変遷の一例が、文豪ゲーテの手紙に表れている。
ゲーテが記念すべき50歳を迎えた1799年の手紙に書かれていた内容の一部が次のとおり。
食後のデザートの時間になると、執事長に連れられた豪華に盛装した姫の従者が全員入ってきた。執事長は大きなケーキを抱えており、ケーキの上には火を灯したカラフルなロウソクが並べられていた。ロウソクは溶け始めていて、ケーキを焦がしそうだった。ケーキの上に立てられたロウソクの数が誕生日を示すようだ。
この時点で、もう現在のバースデーケーキ、そしてそれに供されるろうそくのイメージに近い。
余談になるが、彼の誕生日は1749年8月28日。
記述どおりに立てられていたのなら、ケーキの上に並べられたろうそくの数は28本てことになる。年齢の数だけ立てられるという現在の習慣でいく50本よりははるかにマシではあるが、それにしたって28本である。
「ロウソクは溶け始めていて、ケーキを焦がしそうだった」なんて悠長なこと言うてる場合か、って気もする(・_・)
(絶対、火事案件やろ……)
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「バースデーケーキとろうそく」は、アメリカに伝わることでさらに様相が変わってくる。
19世紀末にアメリカに伝わった誕生日パーティーでは、もはやキンダーフェストのような切迫感はない。お母さんは子どものために誕生日ケーキを作り、子どもの年齢と同じ数だけ小さなろうそくを立てるようになった。
かつてのキンダーフェストでも最終的にろうそくは吹き消された。
夜明けとともにスタートした生誕祭が一日かけて無事に終了した時、天空の神に届いた願いの炎は、いわば魔除けの一種として吹き消されたのだ。
が、アメリカバージョンには魔除けの要素すらすでにもうない。
自分の年齢の数だけ立てられたろうそくを前にして子どもは目を閉じる。
「Make a wish (さあ、お願い事をして)」
お母さんにそう促され、心の中で願い事をした子どもは、目を開けると同時にろうそくの火を一気に吹き消す。ひと息で全部消すことができたら、その願い事は叶うと言われているのだから子どもだって全力だ。
こうして首尾よくひと息で消せた子どもの顔に満面の笑顔がはじける。
「Happy Birthday!!」🎉🎉🎉
その場に居合わせた家族全員から祝福の声と拍手。
お母さんは、なおも子どもを祝福する家族と、それに応えてはしゃぐ子どもを尻目に、ケーキを持っていったんキッチンへ。
家族分のケーキを切り分けるために退場だ。
数分後、お母さんによって人数分切り分けられたケーキの再登場で沸くリビングの歓声を、彼らは少し離れたキッチン脇のダストボックスの中で聴いていた。
"はっぴい……ばあすでい……"
不完全燃焼した身をゴミだらけの闇の中で寄せ合い、
――オレたちって、何のために生まれてきたんだろうな?――
そんな風に自問しながら、それでも彼らは子どもの誕生日を人知れず祝っていた。
そう――
バースデーケーキのろうそくの悲劇が、ここに始まったのだ( ̄∀ ̄)
……お願いだから、誰か「食べられるろうそく」作ってくれ、まぢで(・_・)
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今日の〆の一曲は、PAMELAHで『CANDLE』
PAMELAHの1stアルバム『Truth』の収録曲。
〽もう一度火をつけて
――が、本懐を遂げずに捨てられていったバースデーケーキのろうそくの叫びと受け取っていただけたら幸いナリ( ̄∀ ̄)←フッ、こじつけがすぎるぜ…
まあ、
〽どんなに強い風が 吹いても消えずにいて
――だと、バースデーケーキのろうそくとしては失格やけどね( ̄∀ ̄)
(子ども、ギャン泣きやろ、それ^m^)
おっと、今宵ももうこんな時間だ。
もう最近では、てっぺんまで間に合わせる気すらなくなってきた(笑)。
大体でええわw
ただ、これに慣れてくると、今はまだ30分オーバー程度のものが、やがて1時間になり1時間半になり……
エスカレートしていくは必定( ̄∀ ̄)💦
どのへんで線を引くべきかなぁ……
てか、一番手っ取り早いのは、さっさと新しいパソ子ちゃんの環境に慣れんかいっ!……てトコやろなぁ……(*´Д`)
そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が
たとえ報われない運命のもとにその身を置かれようとも、めげずに、ひがまずに、誰かの幸せを心から祝える、そんな気高い一日でありますよう✨✨
■ おまけ
今回の画像しりとり列車 (197両目) の前の車両です。タイトル「おれにはな夢があるんだケンシロウ」と下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。
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![松平雅楽守](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83419344/profile_bcd44e3d5d221ced271d9115844b1caa.jpg?width=600&crop=1:1,smart)