ツチノコ ――画像しりとりはじめました (#38)
(#37)高みの見物→「つ」→ツチノコ
――かと思ったが、よくよく見たらうちのミケだった
生まれた時から家猫のミケは
野外でびうのこの日、丸一日を費やしてネズミ一匹とれず
手も足も出ない
というナゾの超絶アピールをしながら
いじけたように私を睨む
……そんな得体の知れないスキルがあるなら
ネズミの一匹や二匹、たやすいものだと思うのだが
猫生とはままならないものだな、我が相棒よ…
ツチノコ。
日本に生息しているという伝説の未確認動物、いわゆるUMAの類である。
見た目は、ザックリ言えば胴が太い蛇である。ビジュアルの想像図はこんな感じ。
このツチノコ、わが国では定期的にちょくちょくブームになることでも知られている。
一番最初にブームになったのは、1970年代 (1973~1974年頃)。
火付け役となった作品が大きく二つ。
1つ目は、1972年に、作家の田辺聖子が、ツチノコ捕獲に情熱を燃やす作家山本素石をモデルにした人物が登場する小説『すべってころんで』を朝日新聞の夕刊で連載をスタートさせる。この小説が、翌年、NHKの銀河テレビ小説でドラマ化されたことにより「ツチノコ」という名称が全国区となったのだ。
2つ目は、世間一般では『釣りキチ三平』の作者として知られる漫画家の矢口高雄が、1973年にツチノコをテーマにした漫画『幻の怪蛇バチヘビ』の連載をスタートさせる。ちなみに矢口高雄は、実際にツチノコに遭遇した経験があるらしい。
小説、漫画、テレビドラマ、といった多様なメディアでその存在が全国区となる一方、人間の欲に訴えてこのブームの炎に薪をくべたメディアがある。
それが、西武百貨店で出された「手配書」という名の懸賞金である。
手配書自体は、ちょっとレトロタッチな仕上げになっていて、なかなか良い雰囲気である。しかも、よく見ると左下に書かれている賞金が
生け捕り 金三十万両
遺体 金十万両
写し絵 (写真) 金六万両
と、単位が「両」ww
そして、より気になるのが左上、連絡先の「ノータリンクラブ」。
括弧書きの中こそ「自然愛護連盟」とガチガチに真面目な雰囲気を醸し出しているが、本体名称がなにせ「ノータリンクラブ」である。
ぶっちゃけ、胡散臭さすぎる( ̄∀ ̄)。
ともすれば、この手配書、ちょいとふざけて出しただけの「なーんちゃって♪」じゃないの?とさえ思わせるような名称だ。
しかしながら、このノータリンクラブ、名称のスチャラカぶりとは裏腹に、その実態は真面目この上ない団体だったりする。
クラブの発起人は、上記『すべってころんで』の田辺聖子が登場人物のモデルとした、まさにその張本人、山本素石である。
趣味のアマゴ釣りのため京都の加茂川の奥地に入った山本素石が、そこで初めてツチノコに遭遇し、興味を持った山本が有志の人物と「ツチノコ捜索隊」を結成した、それがノータリンクラブである。
いい歳こいた大人がツチノコのようなものに現を抜かすとは、脳が欠けているとしか思えない、そんな意味合いでつけられた名称なのだそう。
目的となる行動がいささか「少年時代」なだけで、自分たちのことを極めて冷静に客観視できているではないか(o^-')b♪
己を客観視できる人物や団体は、よほどのことがない限りよほどのことにはならない (笑)。
なお、ノータリンクラブには、以下のような会員規則もあったもよう。
1. ツチノコの存在を本気で信じること
2. 渓流釣りを愛すること。特にマスの保護増殖に尽力すること
3. 自分の妻子より、自然を愛すること
4. 会員を増やす場合は、既存のメンバー全ての了承を得ること
5. 一旦入会したら、死ぬまで辞めないこと
……いや、真面目かッ!www
ていうか、ツチノコ、規則の1にしか出てきてなくね??(・_・)
まぁ、だからこその括弧書き「自然愛護連盟」なのか。とりあえず納得。
こうして、きわめて真面目なツチノコ捜索隊「ノータリンクラブ」が賞金を懸けてまで全国に情報を求めた結果、当事者たちの思惑とはいささか違った展開を見せ始める。
まず計算外だったのが、西武デパート以外にも、ツチノコに懸賞金をかける団体が現れたこと。それも、西武デパートが提示した金額をはるかに超えて(*´Д`)。
その最たるものが、村や町といった地方自治体だ。
伊達や酔狂でやってるわけではなく村や町おこしを兼ねているものだから、投入される金額もハンパぢゃない。
岐阜県東白川村や奈良県下北山村等が懸けている賞金100万円なんて、まだかわいいもので、
新潟県糸魚川市は1億円!( ゚Д゚)💦
兵庫県千種町 (現:宍粟市)は2億円だ!( ゚Д゚)
こうして、日本全国に一攫千金を夢見る「ツチノコ捜索隊」があふれ出すこととなる。
また、真面目に探そうとする者もいれば、当然そうでない者も現れてくるのが世の常。
賞金目当てのインチキや捏造されたツチノコも、雨後の筍の如くニョキニョキと生えてきた。
言い出しっぺ (?) のノータリンクラブ、特に中心人物である山本素石は、あまりにも高額な懸賞金、それにつられて踊らされるにわかツチノコ捜索隊、何より彼らが無遠慮で荒らす山河、
こういった「ツチノコ狂騒曲」に嫌気がさしたのか、ブームの盛り上がりとは反対に、ツチノコ捜索からは早々に手を引いたそうな。
いや、手を引くだけにとどまらず、マネーゲームと化してもはや浪漫のカケラもなくなった「ツチノコ捜索」を皮肉るかのように『逃げろツチノコ』を出版した。
……なんか哀しい(T_T)
さて、話のついでなので、ツチノコの歴史的背景にもちょっとばかし踏み込んでみたい。
江戸時代の百科事典的書物『和漢三才図会』よれば、ツチノコは野鎚蛇という名称で登場する。曰く
ちょっと興味深いと思ったのが後半のくだり。
「下りは速いが登りは遅い」これってクマの真逆なのだ。札幌市内でもフツーに熊が出没するような北海道在住の者には半ば常識 (?) の知識なのだが、熊は「下りは遅く、登りは速い」。
だから、逃げるしか選択肢がない場合、下り坂ならまだ逃げおおせる可能性がちょっとだけあるので、🎵スタコラサッサッサのサ🎵――で逃げてみるのはアリっちゃアリ (背を向けるのは本来アウトだけどね)。
だが、上り坂しか退路がない場合は、残念ながらゲームオーバーだ。
とりあえず大声を張り上げて威嚇するか、なんなら「もりのくまさん」を絶唱してみるのはどうだろう。もしかしたら、目の前の熊が
「♪お逃げなさい♪」と道を譲ってくれるかもしれない ( ̄∀ ̄)
……話がズレたが、『和漢三才図会』のツチノコ=野鎚のビジュアルがこちら
……んー……普通にヘビだねぇ…(^^ゞ
ていうか、顔があるからギリ蛇って分かるけど、顔の部分隠したら、もはやミミズだよねぇww
単に絵がヘタクソなだけかもしれんが……
野鎚というなら、妖怪好きのバイブルその2(*1)、鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』にも登場する。そのビジュアルがこちら。
こちらもけっこう体長が長いが、胴の太さは若干感じられる。……ていうか目ないぢゃん💦
口しかないぢゃん💦
毛むくじゃらだし、なんかキモいぢゃん💦
ここまできちゃうと、メガテニストの血が騒ぐ。
悪魔召喚――ノズチ!
こちら、ゲーム『真・女神転生』シリーズにわりと頻出する悪魔、ノズチさん。
どのシリーズに出てくる場合も、持ち合わせている特殊能力は、ほぼ毒。それもパーティ全体に毒攻撃を仕掛けてくるめんどくさいヤツ。
それでいて、味方にしてもあんまし強くないので、個人的には正直、重宝しない悪魔である。
ただ、道中でエンカウントするノズチとのレベルが拮抗していて、バトルが長引きそうな時は、1体仲魔にしておいて速攻話し合いで戦闘を回避するというのが私の定番。
……だって、戦闘のたびに解毒するのメンドーだもの……
せめてねー、これでビジュアルだけでもこないグロくなかったら、まだ愛着わくんやけどなぁ。
――たとえば、こちら「けものフレンズ」のツチノコさん。
メガテンシリーズのノズチも、こんな感じのビジュアルになったら、多少弱くてもレギュラー確定なんやけどなw
……今宵も、とりとめのない話題をダラダラと書き殴ってしまった…💦
ほら、もうこんな時間やん。なんのオチもないやん💦
仕方ないわね、所詮その程度の文才なのだし(^^ゞ
えー、そんなこんなで
明日も、なるべく多くの人が
手も足も出ない苦境にあっても、笑顔だけは出せる一日でありますよう😄
■ おまけ
今回の画像しりとり列車 (38両目) の前の車両です。タイトル「高みの見物」とネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。
こんなダラダラと長ったらしい記事に最後まで目を通していただき、その忍耐強さと博愛の御心にひたすら感謝☆です ありがとうございます ご覧いただけただけで幸甚この上なっしんぐなので サポートは、私なんかではなくぜひぜひ他の優れたnoteクリエイターさんへプリーズ\(^o^)/♪