ゾウガメ ――画像しりとりはじめました (#31)
(#30)プルシアンブルーの肖像→「ぞう」→ゾウガメ
友だちのウミガメくんが夏風邪ひいたとかで
急遽ピンチヒッターを引き受けたけど
かれこれ一週間、子どもたちが全然いぢめにこない
まぁ、そもそもガタイが違いすぎるからね( ̄∀ ̄)
子どもがよってたかっていぢめるにはキミはデカすぎるのよ、ゾウガメくん
それでも、ピンチヒッターにワニガメくんじゃなくゾウガメくんを指名してるだけ、ウミガメくんも多少の配慮はあったとも思う。
ていうか、一週間もしたら、さすがにもうウミガメくんの夏風邪も治ってるんぢゃね?( ̄∀ ̄)
ゾウガメというと、鬼才のシンガーソングライター、天野月子 (現:天野月)の『亀』という楽曲を思い出す。そんなマニアックなワタクシ。
もともとシングルカットされた『鮫』という曲のカップリング曲なのだが、歌詞に描かれている世界観があまりにもシュールすぎて、一聴してハートを鷲掴みにされた。……もう20年近く前になるのだが。
まずは、その歌詞を――
オープニングからサビで始まるタイプの曲であるが、いきなりシュール極まりない風景が目に飛び込んでくる。
ゾウガメが環七で水浴びしてた
飼い主はヨボヨボのおじいさん
環七って、立錐の余地もないくらい道路沿いにラーメン屋さんがズラーッと並んでるんぢゃなかったっけ?←いや、それはそれでどういう先入観だ
そんな環七にゾウガメ!
しかも、その横にはヨボヨボのおじいさんがいて
あまつさえ水浴びをさせているっ!
いや、それって、どんなシチュエーションなん?(・_・)?
それを見たこの曲の主人公 (以下、仮に「つっこさん」とする) は自分も「飼いたい」、そう強く思ってしまう。
何故?(゜o゜)?
理由は良く分からないが、後の歌詞で「飼い主の屈託ない笑顔」と描写しているのだ、とりあえず楽しそうに見えていたことは想像に難くないだろう。
早速、行動に移るつっこさん。
ゾウガメくんの居住スペースとしてお風呂場を改築しようと画策する。
「費用はなるべく浮かせて」
ここまでシュールに進んでるのに、なんでそこだけリアルにコスパ意識がしっかりしとるん?(笑)……そうツッコみたくもなるが、ゾウガメくん購入にかかる費用を考えたら、抑えられるトコは抑えときたい、そう考えるのも無理からぬところかもしれない。
「防音もしなけりゃ……ところであの子は鳴くのかしら?」
これは意外と目からウロコなナイスな疑問かもしれない。
ゾウガメってどんな鳴き声なん?
ていうか、そもそも「鳴くのかしら?」(笑)
調べてみたよ、つっこさん(o^-')b♪
……んー、なんかこう、鳴き声というより呻き声?
イメージどおり、とまでは言わずとも、見た目からそう極端にかけ離れたものではなかったような印象。あくまで、個人的な感想ではあるけど。
ま、とりあえず、宅録スタジオ作る時みたいなガッチリした防音は要らないのではなかろうか。ましてや、「費用はなるべく浮かせて」なのだから。
しらみつぶす問い合わせには
「当店(うち)には入手ルートがございません。申し訳ありません」
さあ、この曲の最大のネックがここだ。
「当店(うち)には入手ルートがございません。」
そりゃそうだ。現在、アルダブラゾウガメもガラパゴスゾウガメも、ワシントン条約 (*1) で輸出入が大きく制限されている。
気軽に「ゾウガメ? あー、ありますよー♪」とかペットショップの店主に言われたら
2番で一流建築家がくぎを刺す苦情沙汰どころの話ではない、
それはたぶん、
警察沙汰だ。
本来ならば、入手困難、ていうかほぼほぼ無理❌
――と判明した時点で話はおしまいなのだが、2番に入ってつっこさん、
一流建築家を招いてお風呂場の改築を具体的にスタートさせようとする。
意地でも飼いたいのだ。
「大家には内緒で☆」
語尾の「☆」がなんとなくカワイイが、それはさすがに無理あるっしょ。
「しかしね、苦情沙汰になるよ」
そう、これは建築家さんのいうとおりだ。「大家」言うてる時点で一軒家ではなくマンションもしくはアパート、いずれにしても集合賃貸物件なのだから、どんなに隠密裡に事を運ぼうとしても、少なくとも隣の住人にはバレバレは必至だ。
山吹色の菓子を事前に大量動員して隣人を味方に引き込みでもしない限り、大家が知るところになるまでにもそう時間は要らないはず。
見るに見兼ねあなたは語る
「今はミドリガメにしときなさい。週末見に行こう」
つっこさんの夫なのか彼氏なのか、とりあえず「いい人」が、パートナーの暴走をようやく止めに入る。
ナイスだ、彼氏。←限定しちゃった^m^
ただ、ゾウガメの代わりにミドリガメてww だいぶスケールダウンしちゃったね^m^
それでも「今は」という枕詞でかろうじてつっこさんを納得させたのだろうか。「週末見に行こう」という具体的かつ近々な提案もブラボー。
この男、なかなかのやり手とお見受けする( ̄∀ ̄)。
辿り着いたペットショップは
「本日棚卸し・明日は二時から営業」
アウチ(>_<)
せっかくミドリガメで妥協したのに、オチはこれかいっ!
……ていうか、ペットショップに限らず、たいていのお店屋さんは土日・祝日は書き入れ時とちがうんかい。
週末に「棚卸し」てw
ま、それでも「週末見に行こう」なのが、一縷の救いの可能性を示唆している。つまり、「棚卸し」が土曜日だったのなら、翌日の日曜日二時以降にまたくればいいのだから(o^-')b♪
楽曲は、ここからサビのシュールな風景がリフレインされて終わるのだが、自分、ふと思ってしまうのだ。
「明日は二時から営業」ということでペットショップを再訪した二人。
そこにいたのはこんな風貌の店員さんで
「ゾウガメ? あるよ」
事もなげにそう言いだしてしまうのではないか、と――( ゚Д゚)
歌詞の字面を追って行くだけで、なかなかのシュールさが随所にてんこ盛りだったと思う。
ただ、この曲のスゴみは、そんな歌詞だけにとどまらない。
普通、こういったコミカルな歌詞の楽曲は、歌詞に合わせるようにポップな曲調や元気もりもりな、いずれにせよメジャーコードでノリノリになるのが比較的多いものだ。
が、この『亀』、めっちゃ重厚で、かつめっちゃくちゃカッコよいのだ。
無論、人それぞれの好みというものもあるのだろうが、いやいやカップリングぢゃないっしょ、この曲!
――といいたいくらいにカッコよい。
まぁ、百の言葉より一を聴くに如かず、であろうから、不要なクドい説明よりも、まずは聴いていただきたい。『亀』。
逆に言えば、この曲調なのにこの歌詞、というところが、天野月子の天野月たるゆえんといえるのかもしれない( ̄∀ ̄)♪
思えば、天野月子の『青紫』のCメロをCDショップでたまたま聴いて、
「お、おにいさん、この曲、なに、なんて曲?」と問いつめ
その場でアルバム『Sharon Stones』を買ってから今年でちょうど20年になる。
月日が経つのは、ホントあっという間だねぇ( ̄▽ ̄)
そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人が
多少シュールであっても、トータルで満足いくような一日でありますよう👍
■ おまけ
今回の画像しりとり列車 (31両目) の前の車両です。タイトル「プルシアンブルーの肖像」とネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。