世界を繋ぐこんにちは!三波春夫さん
三波春夫さんと言えば、こんにちは!何のこっちゃ??思われる方はこちらのCMをご覧ください。華やかな平成の時代、テレビで見たことがある人は多いのではないでしょうか?
スーパーマリオのこのCM曲。元となったのが三波春夫さんの歌う「世界の国からこんにちは」です。誰もが歌える三波春夫さんの代表曲です。1970年の日本万国博覧会(大阪万博)のテーマソングです。
私が三波春夫さんに注目し始めたのは、やはりボイストレーニングを勉強し出してからです。浪曲(浪花節)について調べていたところ「俵星玄蕃(たわらぼしげんば)」と出会って一気にファンになりました。
ちょっと古臭いことを言いますが、この時代の日本人は堂々と声を出していたなあと思うのです。それに気づいたのは映画『男はつらいよ』を見ていたときでした。私は第4作のハワイ旅行の話が大好きで、夫に見せたくてDVDを借りて一緒に鑑賞していたんです。
「端役の人までみんな上手いよね」
そんな話をしました。芝居、間、発声、無駄がないのです。豊かな心から溢れるみんなのパッションがこの映画を創っている。思わずため息が出てしまいました。
たまに見る現代ドラマでは、言葉が音色となって出てこない人や(口の中でモゴモゴ喋る感じ)役に集中できず手や肩がブラブラしていたり、視線が揺れていたり、何だかバチッと決まらない人がいるのです。溢れるパッションを感じられず、無機質でつまらないなあと感じることが多かったんです。
『男はつらいよ』には、そういうのが一切なかったんです。役者さんが「声」を出すことにビクビクしていない。芸能そのものを心から楽しんでいる。その在り方は、神社の境内でお囃子を楽しんだり、みんなで盆踊りを楽しんでいるかのようでした。
上も下もなく、みんなで仲良くしている。みんなが笑顔になるために。だから芸能は心をひとつにするし、土地も人も豊かになるし、強くなるんです。誰が踊っても、誰が笛を吹いてもいい。フラットな心で、そこに居ることを許し合っている。
心から楽しむ。何かを通してひとつにまとまるって、そういうことだと思うのです。三波春夫さんのお声は、芸能そのものを心から楽しんでいて、忘れがちな景色を思い出させてくれるお声なんです。
さて、私が特に推したい作品をご紹介します。平家物語の「祇園精舎」です。とてもカッコイイです!!!後半、突如としてギャグみたいな伴奏に変わるのが気になりすが笑(そのまま三味線で行って欲しかった…)
1分08秒の音階とか最高です。えっ!明るくなるの!?とすごく感動する音色になります。インドの歌い方によく似ています。日本人が好きな仏教はインドから伝わりましたし、何か意識されて表現しているのかもしれませんね。
こんな感じの音色を思い出します↓↓↓
本気の芸能から、子どが笑顔で喜べる歌まで。それが三波春夫さんの魅力なのかな?と思っています。
長きにわたり素晴らしいお声を聞かせてくれた三波春夫さん。最後にオフィシャルサイトより、歌のあゆみをご紹介させていただきます。
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