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八月は納涼歌舞伎

週末は歌舞伎座で納涼歌舞伎の第二部第三部を楽しんだ。三味線に以前より注目してしまうのは仕方ないんだろうな。我がことながら面白い。

髪結新三は勘九郎、勝奴が巳之助、大家さんに彌十郎、手代が七之助でお熊は鶴松。いろいろ感慨に耽りながらも皆様のイキイキとした芝居に惹き込まれてあっという間だった。その後の踊りとセットでの第二部だったけど、順序が逆だともっと楽しめたかも。出てる役者さんらを考えるとこの順だったのかもとは思うが。

第三部は京極夏彦が、作家生活30周年にして初めて手がける歌舞伎作品。書籍の方はえらい売れ行きらしい。京極作品キャラのご先祖様の話ともあって、歌舞伎好きだけでなく京極ファンからも注目の作だ。…七之助の美貌に負うところが大きいなぁ。あの美の説得力!再演するなら染五郎丈の起用を希望。その染五郎は今回は忠義一途の非業の武士なんだが、これが秀逸。勘九郎の非人情な殿様に盲目的に心酔してる理由が後半で明らかになり、ただの悪役から同情すべき人になるのが無理なく受け入れられる出来だった。新悟、虎之介、米吉のお嬢様もそれぞれ個性的。恋って怖い…と思わせるに十分な狂気だった。

やはり、芝居は楽しい。

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