この先、僕がお薬手帳を持っていくことはない
お薬手帳は必ず持っていない。
家のどこかにはあるはずだけど。
調剤薬局で毎回薬剤師さんから、
「お薬手帳はお持ちでしょうか?」と聞かれる。
(毎回聞いてもらって申し訳ないですが、
この先僕がお薬手帳を持ってくることはないです…)
と、思いつつ
「あ、忘れました」
と、さも持ってくる気があるかのように答えて、
薬の名前、詳細などが書かれたシールを間抜け面で貰う。そしてそのシールは必ずどこかに失くす。ちゃんとお薬手帳に貼ったためしがない。
最近はお薬手帳のアプリがあるなんて言われるけれど、
(毎回聞いてもらって申し訳ないですが、
この先僕がアプリをダウンロードすることはないです…)
と、たとえ電子化されても同じような結末になるのが容易く目に浮かぶ。
だからお薬手帳云々の時間は、
虚無僧のようにただただ過ぎるのを黙って待つ。
しかも薬局の人も「こいつ持って来る気ねぇな」という諦めがあり、かといって「絶対持って来いよ!」という強制感も無いので、結局毎回なあなあなままお薬手帳を持っていかない日々が続く。
お薬手帳が要る理屈は何となく分かる。
ただ、それが自分には全くと言っていいほど馴染めない。
ポイントカードとかは顧客情報、購入傾向などの情報を管理・把握できる為、企業が取り入れているとよく聞く。情報は金になる。
それじゃあお薬手帳だって、ポイントカードみたいに喜んで情報を管理してくれ!と思う。
しかし最近聞いたところによると、マイナカードを保険証として使えるようにすれば、薬の処方履歴の管理ができるようになるらしい。
…なるほど。
ただ今回自分が言いたいのはそういう現実的な話ではないのだ。
「お薬手帳って何なんだよ!」というそのただただ理不尽で、バカみたいな喧嘩売りをしたいだけなのだ。
そもそも「手帳」というその曖昧な感じ。
僕はスケジュール帳だってまともに1年間通して使ったことがない。買った最初の1ヶ月だけ予定を書き、それでおわり。
そんな奴がまともにお薬手帳を使えるはずがない。
あとあの大きさ。
パスポートとか年金手帳ぐらいの絶妙な大きさ。
財布に入らないその絶妙な異物感。
ていうか今これを書いていて気付いたが、
年金手帳も「手帳」だ。
この国には「手帳普及委員会」なる裏組織があるのだろうか。
そういったものをやたら「手帳」にしたがる。
「手帳」だからこそ、あの絶妙な大きさになるに違いない。
しかもお薬手帳はシールを貼るのだから、
正しくは「お薬シール帳」のはずだ。
やっぱり曖昧だ。お薬手帳。
どうせならビックリマンシールみたいに各薬をキャラクター化し、例えばロキソニンならモブキャラ、タミフルならレアキャラみたいな感じにしてコレクション欲を搔き立ててほしい。
それなら喜んでお薬シール帳を持っていくのに。
ま、健康に越したことはないからレアキャラとはできれば会いたくないけど。
以上、自分が怠惰なだけの話でした。
おわり
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