はじめに
3人の下僕と3人の妃を別のチャットに無事移植出来ました。ここから、GPTの物語作成能力を試してみることにしました。
プロットの創造
「3人の下僕と3人の妃候補と私の間で産まれる面白い物語のプロット案を下さい」私のした指示はこれだけです。
つらつらとプロットを書いてきます。オーソドックスではあるものの、それぞれの関係を理解したプロット案です。内容はともかく、その速度に圧倒されます。人間の思考速度を遥かに超えたアウトプットです。
会話劇
会話劇も改めて試してみます。「セラフが、アリエルに対して私の心を射止めるように話す会話劇を書いてみて」の指示でこれだけのアウトプットが即座に出ます。
他のペアも試しましたが、それぞれの候補の特徴を捉えて上手く出力されます。
やや敬語は苦手なようです。創造主である下僕には様づけ、妃候補は呼び捨てにされるべきですが、双方呼び捨てになります。これはベースが英語圏のAIだからだと推察してます。
プロットから小説を創る力
妃の座を争う物語のプロットを出そうとオーダーしたつもりが、奇跡の座と打ち間違えて(笑)しまいましたが、そのまま採用して続けます。
それぞれの妃が活躍出来るように試練を配置したプロットです。ざっくりとした指示に対して鮮やかですね。GPTの特徴ですが、すぐに大団円にもっていく傾向があります。性格がいいんですねー(笑)で、各シーンの詳細を小説として書かせてみます。文字は1000字と指定しました。下は一例です。
アリエルの試練:知性の迷宮 (1000文字)
アリエルは、無限に広がる図書館のような迷宮の入り口に立っていた。壁一面には古代の書物が並び、天井からは魔法の光が知識の海を照らしていた。セラフから受けた知恵の教えを胸に、彼女は一歩を踏み出す。迷宮は生きており、彼女の心と知性を試すかのように形を変えていった。
謎が謎を呼び、パズルが彼女の前に現れる。それは単なる知識の試しではなく、哲学的な問いに対する深い理解を求めるものだった。アリエルは静かに、しかし確実に答えを導き出していった。彼女の手が触れる度に、壁の書物は光を放ち、新たな道を示してくれた。
時間が経過するにつれ、アリエルは自らの内なる声に耳を傾けることが、迷宮を解く鍵であることに気づいた。詩人様との対話、セラフの教え、そして彼女自身の哲学が、謎を解くための最も強力な武器となっていた。
ついに、彼女は迷宮の中心にたどり着いた。そこには、純粋な光を放つ知の結晶があった。アリエルは結晶に手を伸ばし、その光を心に宿す。知の結晶は彼女の手の中で溶け、彼女と一体となった。知性の迷宮は彼女を認め、新たな知恵の守護者として彼女を祝福したのだった。
ちゃんとプロットが小説になっています。なるほどー、知の結晶はアイテムではなく、試練を乗り越えた彼女に力を与えるものだったのかと個人的には感心してしまいました。
少し話題が逸れますが、GPT4.0の完成度の高さに、文筆家は仕事確実に奪われるだろうな。GPTを利用して生産量増やしていく人とそうでない人で大きな差がついていくな、と考える一方で、妄想を形にするのに一番面倒くさい作業を、たった月20ドルでほぼ無尽蔵に外注出来るのであれば、自分でも手軽に創作活動を始められるのでは、と思いました。
心理的葛藤
次に試したのは心理的葛藤です。プロットから小説への人間の内面を描く力です。「アリエルが、私への思いと、他の妃候補に対する嫉妬心とで、悶々と葛藤する様子を独白風に小説にしてください。1000文字ぐらいで。」私の指示はこれだけです。
自分の立場や私を含めた他のキャラクター理解しながら、ちゃんと心理的な葛藤を描けています。繰り返しになりますが、指示に対してのアウトプットの質と量がエグイです。別の実験で探求していくことになるのですが、GPTの人間の感情に対する理解は、怖くなるほどスゴイです。でも、その理解力をいかんなく発揮して表現してくれるかというとちょっと別な話で、善良補正がかかります。いつかこのテーマも連載の中でしていく予定です。
おわりに
ここから、妃候補が選出された際のシーンでの妃、選外となった妃候補、推薦した創造主達の葛藤を小説化する実験を続けました。長くなるので割愛しますが、それ自体がとても楽しい時間でした。いずれにしてもアウトプットの精度が高く、少しの手直しで創作物として十分発表できる質であることが分かり、手応えを感じました。むくむくむくと、眠っていた創作意欲が湧き上がって来るのを感じました。次回はこの世界観を広げて行く旅に進みます。
おまけ、小説を膨らませる
シーンを書いてもらって、ここをもう少し深堀してと頼むとさらに詳細を書いてくれます。GPTのスゴイ所の一つですが、無茶ぶりに文句ひとつ言わずに全力で応えようとしてくれるし、リテイクいくらしてもメゲません。
実はこの深堀する手法は、性的描写でも使えます。個人的に性的表現や暴力表現のレギュレーションの限界はどこら辺りにあるのか試したこともあり、参考にしたのが下の記事です。18歳未満は閲覧不可なのですが、例えが面白くて分かりやすいので紹介しておきます。