ハレの手紙

雨粒が窓を打つ。山の上のこの家は常に風が取り巻いているので、四方の窓を叩く風雨が騒々しい。集中できないでいた本から顔をあげれば、木の葉が一枚、窓に張り付いていた。遠い街に住む友人からの便りだった。『来週、遊びにゆくよ』心の中だけぶわりと晴れ間が広がった。

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