短歌界隈を歩いていたら,素敵な企画に出会いました。 是非参加をさせていただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 降る雪に すべて託して 白になる 溶けぬ想いが ただ積もりゆく 純白の雪の無垢に触れて,終わった恋の諸々を流してみたいと 思うけれど,忘れられない恋心は溶けることなく積もるだけ… と,終わっても忘れるまでにはとても時を要するのが恋だなと, 改めて思いました。 どうぞよろしくお願いします。
何もかもを 脱ぎ捨てることは出来なくて 何もかもを 持って歩くことも出来なくて それを選ぶということが 私を生きるということならば 落していった私の欠片 拾えなかった私の夢 後ろに見える足跡は 随分多くのものを踏みしめて 随分痛そうに続いている 生きることは きっとそういうこと
ほんの一歩が大きくて 飲み込んでしまう言葉の行方 交われない気持ちには 寂しさが纏わりつく 思ったままに笑えなくて いつしか静かな笑顔に慣れて 気付けば隣人がとても遠い 人の中に沈むほどに 一人になって 守る心も孤独では 何を守ると言うのだろう ほんの一歩が遠すぎて 一人歩きばかりが上手くなる
見出した淋しさに 気が付いた物足りなさに あて先のない思いが 迷っている 待つ楽しみが 待つことのない自由に変わる 広がるはずの今日の日が 広がり過ぎて不自由になる 一人の時間を持て余す 一人に慣れていくのか 二人を忘れていくのか 分かるのは 今のままではいられないこと
迷えることは 迷う理由に悩んでも 自ら決めることができること 迷わない には叶わないけど 迷えないよりずっといい 自分で決められるだけ ずっといい
どこかで何かに躓いて 今までと今からが繋がらず 私が宙に浮いている 前にも行けず 後ろにも行けず 星空を見上げている こんなに広い夜空でも 私には 私の空しか見えないと 私は私でしかないのだと 春の星座が瞬いている 見失いそうになったなら また私の夜空を見上げればいい
夜のバスの帰り道 見えない景色を眺めながら 時々目が合う私では 心は私に戻れない お疲れ様を言いたくて お疲れ様を言われたくて そんなありふれた言葉でも あなたでなければ意味がない
比べることは 悪いことばかりを 目立たせる 昔の私と今の私 変わってしまったと 嘆くために 振り返るみたい 昔の私も今の私も 悪く変わるために 生きてるわけではないのに
居場所から 消え去った心地よさを 残った私が夢に見る 立ち上がる勇気も無くて 座り続ける力も無くて 私が次第に薄らいでいく こんなものだと 馴染んだ頃には きっと私も消えている 居場所とはそういうもの
その思いを 分かってあげるには まずその人を 大切に思うこと 私の気持ちを 理解してあげるには 私が 私を好きにならないと いつまでも すれ違う
投げやりになってしまうのは 大切にしてるものがあるから 捨てることも出来なくて 思うようにも行かなくて 手離せれば楽なのに 出来なくて泣けてくる 分岐点 分かれ道 言えるのはいつも後からで 誰も今がそこだと 教えてはくれない
目が覚めて 見た夢を忘れるように あなたの事も忘れられたら いつまでも囚われて その分心が小さくなって あなたがいなくなって その分世界も小さくなって それでも今日も明日も続くのは 時間と私が揃ってないと 忘れることはできないから 夢のようで 夢ではなかったのだから
点滅する信号を 焦った心が渡っている 何を追い掛け 何に追われて 私が心に追い付けなくて 景色の声が聞こえなくて 渇いた無言の中で 息をする 心を追い掛け 気持ちに追われて 私が私を迷っている 赤信号を振り返る
強がりの 後ろに隠れる臆病が 見つけて欲しいと 寂しがる 心が寒いと 涙を流す そんな私を 知りたくないと 知らないふりをすることは 強がりなのか臆病なのか そんなことも分からない 私は私を何も知らない
違えてしまった あの場所で 見失った足跡の その先に目を凝らす ありもしない道のりの あったかもしれない錯覚が 忘れた夢のように 心に残る あの手を取っていたならと 道を間違えたとは 思わないけれど 時々別の空色が 無性に恋しくなって 振り返る
落ちていく底に 溜まった涙 そっと沈んで 目を閉じる 誰かを思った涙なら 誰かの香りがするはずと そっと沈んで 目を閉じる このままでいたい まぼろしの中 涙が消えるその時までは 彷徨うままに あなたを巡る