好きなことを仕事にするということ
好きなことを仕事にするということ。
この言葉の響きからはいかにも楽観的でありながら本質的で、この世の全ての物事の課題を包括しても炙り出される的確な答えと思えてしまう。
ーそう思えてしまうのだ。ー
実際、好きなことを仕事にできている人はどれくらいいるのだろう。
そして、好きなことを仕事にしている人は本当に幸せなのだろうか。
2014年(少し古いが)のマイナビの「好きなこと×仕事」に関しての調査では、以下のような結果になった。
約4割の人が好きな仕事をしているという結果になった。
この結果をどう捉えるかは人それぞれだが、私は意外と多いなと感じた。
そして筆者はその4割に当たる好きな仕事をしている人になる。
好きなことを仕事にするという考えがあればその逆説的な好きではないことを仕事にするという考え方も自ずとある。
ここでは好きなこと=「趣味」と考えることにしよう。
皆さんに趣味はあるだろうか?
それを問われた時、何と答えるだろうか?
今出た答え=趣味を仕事にするということが即ち、好きなことを仕事にするということだ。
ということは好きなことを仕事にしていない人は、趣味ではないことを仕事にしているということになる。
趣味ではないということは、好きでもなく、興味もないということになる。
逆に、趣味を仕事にした人はその時点で、それは趣味ではなくなるのではないだろうか。
なぜなら、それは紛れもなく「仕事」になるからだ。
ということは趣味がなくなるということになる。(多趣味な人は他にも趣味はあるが)
だから何だと思われるかもしれないが、この考えは極めて危険である。
例えば、趣味が車だとしよう。
車に関わる仕事についた時点で、趣味は車ではなくなる。
それは「仕事」になるからだ。
そうすると「趣味」がなくなるのだ。
前述したが、これはとても危険で怖い考え方である。
なぜなら、もし仕事(車)でミスをしたり、嫌な結果に終わった場合、趣味であった車を楽しむという逃げ場がないのだ。
それに趣味を嫌いになる可能性だってあり得る。
楽観的に考えていた趣味=好きなことを仕事にするという考え方は、一歩間違えれば楽しさへの逃げ場もなく、趣味を嫌いになってしまうリスクも背負うということになる。(そんな簡単に趣味を嫌いにならないという考えもあるが)
だからこそ言いたいことは、安易な気持ちで好きなことを仕事にすることに疑問を持たなければならないということだ。
そしてもう一つ。
好きなことを仕事にしたからといって、本当に好きなことだけできる訳ではないということだ。
「好きなこと」とは「名詞」である。
ただ名詞で仕事はしない。
先ほども例を挙げたが、好きなこと=趣味が車だとしよう。
車が仕事になる訳ではなく、それに関する「動詞」が仕事になるのだ。
車を"設計する"仕事
車を"作る"仕事
車を"売る"仕事
上記のように"動詞"で仕事はするものであるのだ。
即ち、好きなことだけで考えるのではなく、好きなことに関する動詞を考えて仕事を選ぶことで、本当に好きな仕事ができるということだ。
一見、好きなことを仕事にするということは簡易的で楽しさに満ち溢れているように思われがちだが、実際そんなことはないと感じる。
好きなことを仕事にことはそれなりのリスクが伴うし、それに関するどんな仕事をするかで本当の楽しさは決まるのではないだろうか。
あくまで筆者は好きなことを仕事にして6年になるが、そう思うことがあったので考えをまとめてみた。