最近、身の回りで数奇なことが起きている。先日、なまはげの面をつけながらライブハウスで歌って踊った。訂正。数奇なことは " 起きている " のではなく " 起こして " いる。でもなんだか自覚がない。能動的ではなくどうにも、そちら側に引っ張られているような感覚なのだ。 事の始まりは、私が生まれた年に遡る。すごく遡る。 雪国、秋の穂が実る季節、晴天の昼に私は生まれた。出産予定日から一ヶ月遅れの怠惰な赤子だったらしい。それから私は五歳まで秋田で育った。人見知りだった私にも、親ぐる
皆さんは『クォーターライフクライシス』という言葉を聞いたことはあるだろうか。 直訳すると " 1 / 4 人生 危機 " 20代後半から30代にかけて陥りがちな幸福の低迷期のことを指すらしい。 私がこの言葉に出会ったきっかけは、たまたま流れてきたXのポストだった。今時らしくイーロン・マスクに倣ってみたが、まだ青い鳥だった時分の話である。 言葉と目が合った瞬間、じわじわと、しかし強烈な興奮が押し寄せてきた。 あてもない砂漠で美しい湖を見つけるだとか、夜の海を漂う船が日の出と