見出し画像

【観劇記録】Les Misérables | 谷桃子バレエ団

8/28に谷桃子バレエ団の「Les Misérables」を観てきました。
観劇から1か月近く下書きに入れていた状態だったのですが、せっかくなので投稿します。


あらすじ

18世紀末のフランス。
幼い姪のためにパンを盗み、ジャヴェール警部によって投獄されたジャン・ヴァルジャン。19年の刑期を終えるも行く先々で冷遇され、食べ物も寝る場所さえもなかった。
唯一親切にしてくれたミリエル司教の善意さえも信じられず… ジャンは銀食器を盗み、逃げ出す。だが、再び捕えられたジャンを司教はかばい、さらには銀の燭台までも渡す。
そのことに心を打たれたジャンは新しい人生を踏み出す決意をする。
〜ただ生きるためじゃない、
人間らしく愛に生きるために〜

やがて新しい土地で名前を変えて工場を経営し、市長にまでなったジャン。
だが、彼の知らないところで工員のファンティーヌが不当に解雇される。
ファンティーヌは娘のコゼットを生かすため身を売るも、街の男たちと揉め 逮捕される。
ジャンはファンティーヌを助けようとするが、自分と間違えられて逮捕された 男を救うため自分の正体を明かす。
真実を知ったファンティーヌはコゼットをジャンに託し死んでしまう。
後悔したジャンはコゼットを引き取るため、テナルディエ夫妻の営む宿屋を訪れるが、二人に再びジャヴェールの影が忍び寄る。
なんとか逃亡した二人は、修道院へと辿り着いた。

時は経ち…
反政府の不穏な空気が流れ出した頃、美しく成長したコゼットは一人の青年マリウスと出会い恋に落ちる。
ジャンは、2人を引き離そうとするもコゼットはマリウスへの想いを貫こうとする。
そんな中、ついにマリウスらの革命軍が戦いの狼煙を上げる。
激動の波にのまれていく者たちの運命は……。

谷桃子バレエ団公式サイトより

Les Misérables自体はミュージカルや映画が有名なのでストーリーを知っているかたも多いと思いますが、それをバレエで表現したのが今回の演目です。
歌やセリフが無いぶん、どうやって表現するんだろうと思っていましたが、身振り手振りといったお芝居が多かったので話の流れが分かりやすくなっていました。

メインキャスト別感想

役替わり等々ありましたが、私が観た8/28の感想を簡単に。

ジャン・ヴァルジャン / 今井智也

さすがプリンシパル。登場した瞬間の存在感がすごい。
普段は結構シャイな性格らしいですが、お芝居がダイナミックでジャン・ヴァルジャンの苦悩や、成長したコゼットとマリウスのために離れる親心みたいなものが見て取れました。

ファンテーヌ / 永橋あゆみ

ご自身もお子さんがいるからか、リトルコゼット役の子役ちゃんに向ける目線が本当にお母さんだった。
子供のために身を落としてでもお金を稼がなきゃいけないというのは、この時代ならではかもしれないけどやっぱりしんどいなと思う。
ファンテーヌが若いころに学生とお付き合いしていて、その中で妊娠、学生はファンテーヌのもとを去ってしまったため一人でコゼットを産みシングルマザーに、という流れは初めて知ったのですが、私がすっかり忘れているだけでしょうか…
エディ・レッドメインが出ていた映画版しか見ていないんですが、そんなシーンあったかな。

ジャベール警部 / 三木雄馬

びしっとしたスーツ?とステッキでいかにもな見た目。
ジャン・ヴァルジャンと対立する役になるので、雰囲気に負けてはいけない役だと思いますが、さすがプリンシパル(略
身投げしてしまう前のソロで思い詰めてる雰囲気がすごく伝わってきましたし、そのあとふと立ち止まったときに「覚悟が決まったんだな」と思わされました。
1幕で結構回転技多いなと思ったんですが、それでも吹っ飛ばないシルクハットにびっくり…ピンとかで固定してるんでしょうか。

コゼット / 大塚アリス

私の推し。
ふわふわ舞っているようないつもの踊り方に力強さが加わって、守られるだけだった世間知らずのお嬢様がマリウスと出会ったことで初めて親に反抗し、好きな人を守るために成長していった感じ。
ブロードウェイや東宝のコゼットではなく、映画のコゼットのイメージ。ザ・お嬢様。
技術面や表現力ではまだまだな部分も多そうな印象ですが、年齢も若いぶん伸びしろもたくさんあると思うので頑張ってほしいです。

エポニーヌ / 永倉凜

目力あるので表情が分かりやすいというのもあると思いますが、マリウスとちょっと話しただけでニコニコしてるのが恋する乙女で可愛いし、ガブローシュと絡んでるときもお姉ちゃんしててニマニマしていました。
マリウスの腕の中で亡くなる直前に微笑みながらマリウスの頬に手を伸ばしていて、好きだっていうのを伝えられたのかなあと思いながら見ていました。
表現力で言ったら、若手の中では凜ちゃんが一番。

マリウス / 昂師吏功

ちょっと気弱な好青年にぴったりのキャスティングだな、と舞台に出てきた瞬間にパッと見で思いました。コゼットに惹かれていくところは目線で心情が分かる感じで表現力もある方だなと思います。
映画と比べるとあまり出番が無いように感じたので、もう少し見たかったな。

アンジョラス / 森脇崇行

もうプリンシパルに向かって一直線という感じで技術面でも安定感の塊。
いかにもリーダーですって引っ張っていく場面が多かったのですが、先頭に立ってるからだけじゃなくぱっと見たときにリーダーだって分かるくらい存在感がある。
個人的な印象ですが、ビジュアルも良い。
王子系も似合うけどこういう泥臭いような作品も似合うんだなと思いながら見ていました。

ガブローシュ / 松尾力滝

身長が低めだからというのもあると思いますが、本当に子供に見えてびっくり。160cm代くらいなのかな?他の男性陣と比べると結構小さかった印象。
ガブローシュは周りの皆とわいわいして可愛がられてる最年少って感じで可愛いわーと思って眺めていました。お姉ちゃんのエポニーヌとのやり取りも微笑ましいけど、こんな子供も革命に参加するんだなと思うと時代の厳しさを感じます。
銃を持ちたい!ってエポニーヌに言っていたのに、いざ持つとびくびくしているのがまさに子供って感じでした。

メインキャストにはならないんだろうけど、テナルディエ夫妻の吉田邑那さんと種井祥子さんも印象的でした。
たびたび2人で出てくるシーンがあるのですが、コメディチックな踊りとマイムで見ていて面白かったです。

まとめ

ミュージカルや演劇はたびたび観に行きますが、バレエは初めてだったので「どんな感じの雰囲気なんだろう」とドキドキしながら向かったのですが、ミュージカルなどとは変わらない感じで安心しました。
バレエを習っているんだろうなという感じの小さいお子さんもいて、やっぱりバレエを習っている子は普段からこういうプロの舞台もたくさん見ているんだろうなと思ったり。
アーカイブ配信とかもやっているのですが、やっぱりこういうものは生で見ると違いますね。
大満足でした。

いいなと思ったら応援しよう!