『パン種とたまご姫』の考察:ただそこにいること
存在だけで十分だったのだ。
たまご姫はパン種と出会って、重労働を強いられていたバーバヤーガの支配下から抜け出すことを決意する。
パン種はたまご姫に特別何か働きかけるわけでも、自ら行動するわけでもない。
ただそこにいるだけである。
外に行きたいのかもわからない。意思も感情も希薄である。
しかしたまご姫に連れられて、手を引っ張られ、引きずられるようにして、外へと逃亡する。
パン種は白くてやわらかい。
ぐにょぐにょしながら連れて行かれる。
完全に受け身である。
一方たまご姫は勇敢