むう

東京大学 こころ 物語 あそび

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『パン種とたまご姫』の考察:ただそこにいること

存在だけで十分だったのだ。 たまご姫はパン種と出会って、重労働を強いられていたバーバヤーガの支配下から抜け出すことを決意する。 パン種はたまご姫に特別何か働きかけるわけでも、自ら行動するわけでもない。 ただそこにいるだけである。 外に行きたいのかもわからない。意思も感情も希薄である。 しかしたまご姫に連れられて、手を引っ張られ、引きずられるようにして、外へと逃亡する。 パン種は白くてやわらかい。 ぐにょぐにょしながら連れて行かれる。 完全に受け身である。 一方たまご姫は勇敢

    • イオン結合と金属結合の人間性

      イオン結合は陽イオンと陰イオンが引き付けあってできる。 だから少しでもイオンの配列がずれてしまうと、同符号のイオンが近づいて反発し、壊れてしまう。 金属結合は整列した陽イオンの間を自由電子が自由に動き回ることで結合が成り立っている。 だから壊れにくい。ぐねぐねと変形できる。熱や電気も通す。 脆いイオン結合と柔軟な金属結合。 人が生きていくにはイオン結合より金属結合が役に立つと思う。より強いと思う。 イオン結合はメランコリー親和型性格や強迫性格に似ている。 真面目で几帳面で完

      • 火曜日は火曜日らしく振る舞わないと

        小学校の頃から、曜日に対するこだわりがあった。 例えば、月曜日は普通よりちょっと調子が良い感じ。 好きな服を着て、好きなものを食べて、好きなことをして、明るく楽しく、月曜日らしく振る舞わなければならない。 火曜日は1週間で一番ダメな日。 あまり好きでない青系の色の服を着て、あまり心踊らない料理(焼き魚、野菜炒めとか)を食べて、面白くない宿題を頑張る必要がある。火曜日に楽しい遊びの予定や、面白いテレビ番組が入っていると、そのイベント自体は楽しいはずなのに、火曜日らしくダメな