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【謹賀新年】2025年の高校トピック一覧

新年 あけましておめでとうございます

2025年も引き続き東京大学高等学校進学教育研究会(東大進学校研)をよろしくお願いいたします

初日の出 県立神戸高校(兵庫県神戸市)より

さて、新年を迎えたということで、本記事では今年2025年の高校に関する主要トピックを簡単にまとめてみました。
ぜひ押さえておきましょう!

公立名門校の中高一貫化

今年4月、福島県立安積高校、愛知県立の4高校(明和、刈谷、半田、津島)のそれぞれに附属中学校が併設され中高一貫教育が開始されます。まさに2025年は公立校の附属中学校併設イヤーです。

福島県立安積高校は福島県郡山市の公立共学校。福島県の郡山市などを含む県中学区のトップ校として100年以上の歴史を築いてきました。そして校歌・校章や行事の一部を共有する「福島県立安積中学校」を併設し、「学びの深化と進化」を目指します。
明和、刈谷、半田を含む愛知県立の4高校は、いずれも100年以上の伝統をもつ名門校です。これらの高校では第一次導入校として探究学習に重点を置いた教育が展開されます。2026年には第二次導入校として時習館高校を含めた7校でも中高一貫化が進められる予定です。

福島県立安積中学校校舎イメージ図(県教委より)

愛知・福島県はいずれも公立王国として公立高校が強勢な状態にありました。これらの公立名門校の中高一貫化により、各地域の中学受験市場がよりいっそう刺激されることが見込めるでしょう。実際、県立安積中学校の志願倍率は約5倍、明和高校の附属中学校については17倍超と大人気。これらの地域の高校情勢にどのような変化が生じるのか——今後注目していかねばなりません。

新課程大学入試はじまる

今年の大学入試といば何と言っても「新課程入試」。共通テスト新科目「情報」や、数学・地歴のカリキュラム再編に伴って、大学入試の結果に変化が生じる可能性は否定できません。各高校の新課程への対応力が試される、そんな入試となるでしょう(とはいえ、結果が目に見えてくるのはまだまだ先ですが)。

東大進学校研も2025年度入試に向け、大学受験における高校情勢を分析していきます。直近2024年度の東大入試については以下の記事で総括をしています。併せてご一読ください。

東大推薦10年目へ

2016年にそれまでの後期入試に代わって導入された東大の推薦入試(学校推薦型選抜)。地方・公立・女子に目を向け「多様化を進める」ために導入され、今までさまざまな賞賛と批判を浴びてきたこの入試も2025年で10年目を迎えます。

近年、東京大学では学生の画一化がみられます。具体的に言えば、首都圏出身者が半分、私立高校卒が3分の2、男子が8割という状況で、この3つの偏りが課題になっています。東大としてもこの偏りをなくし、多様化を進めるための試みの1つが、推薦入試導入ということになります。

(東京大学「キミの東大」より)

推薦入試開始以降の累計合格者数のランキングでは、上位に一般入試でも毎年多数の合格者を出す有名進学校が並ぶ中、秋田、藤島などの地方公立の名門校が存在感を放っています。

東大推薦入試合格者数累計(2016〜2024)

1位 渋谷渋谷(17)
2位 日比谷(16)
3位 秋田(13)
4位 灘(12)
4位 県立広島(12)
6位 筑波大附(11)
7位 海城(10)
8位 渋谷幕張(9)
8位 藤島(9)
8位 西大和(9)
8位 麻布(9)

(以下省略)

(「サンデー毎日」より集計)

推薦入試はあくまで合格した本人の力の問題ではあります。しかしながら、学校の力も否定できません。過去に同じ学校から合格した先輩がいると、チャレンジのハードルが低くなるほか、学校側にも面接・小論文のノウハウが蓄積されていることが考えられます。また、探究活動や課外活動に力を入れている学校は設備や指導の質も高く、こちらも有利に働くでしょう。

よって、今後もこれらの学校が着実に推薦合格者数を増やしていくと考えられます。出願者数制限があるため、共学校は高々4人、別学校は高々3人しか出願できないのですが、理論上可能な単年度最高合格者数の4人合格を出した学校は未だ皆無なため、10年目の今年に渋渋・日比谷あたりの東大推薦に強い共学校が金字塔を打ち立てるかもしれません。
本会でも注目して追っていきたいと思います。

東大駒場キャンパスの銀杏並木。毎年推薦入試の時期には黄色い絨毯のように。

いかがでしたか?
各トピックについては今後の記事で詳細に取り扱っていきます。

改めまして、2025年も東大進学校研をよろしくお願いいたします。
(2025/01/01)

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